September 17, 2010
TVC131 Allstate / Motorcycle Insurance / Bikes Never Crash Alone
数多くの印象的な広告を制作している事で知られる保険会社、オールステイトのTVC。無人のバイクが次々とクラッシュする映像を見せる事で「もしこれらのバイクに人が乗っていれば…」という視聴者の想像力に訴えかけています。(動画は残念ながらyoutubeから削除されました)
タグラインは「バイクだけでは、事故は起きない」。シンプルかつ、当たり前すぎるラインですが、だからこそ頷く力がある。音楽もバイクらしいトーンを感じさせますね。
アイデアカテゴリは、事故の現場を「目撃する」、事故の破壊力を「実証する」、そしていつもの「ありえない映像をリアルに作る」とします。
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投稿者 galliano : 08:54 AM
June 06, 2010
TVC126 Conforama / Brand / Drôles de voisins(おかしな隣人)
フランスのインテリアショップConforamaのTVC。最後に出てくるコピーをガリ訳すると、
Chacun sa cuisine, chacun son style
「さまざまなスタイルのキッチンに」
となります。インテリア商品をウェブ上でレイアウトして注文できるサイトの告知ですね。ビッグアイデアは特に見当たりません。アイデアカテゴリはお父さんの行動について「理由のある狂った行動」と定義し、他「大問題化する」「目撃する」を追加しておきます。
Conforamaはこの「Drôles de voisins〜おかしな隣人」TVCシリーズを複数展開。どれもなかなか出来が良いので続きにご紹介します。ちょっとエロスな所が実におフランス(会社閲覧注意)。
カテゴリに「アダルト」を追加しておきます。
投稿者 galliano : 10:58 AM
April 29, 2008
TVC096 Sony / Handycam α Cybershot / Foam City
ソニーのカメラ機器のブランドCM。
機能の事なんて何一つ言ってません。
だから商品なんて売れない、なんて思う人もいるかも知れませんが、
こう考えてみてはどうでしょう。
もしこのCMが詳細なメイキング映像と共にDVDに焼かれて、
騒々しいカメラ売り場の中でオンエアされていたら。
あるいは、大画面テレビ売り場のブラビアで繰り返し再生されていたら。
誰もが「なんじゃこりゃぁぁぁ!」と思って足を止めるのではないでしょうか。
この街の映像には、そんなストッピングパワーがあると思います。
他の何にも似ていないイメージを。
うむむ、コピーも渋い。商品にソニーらしく落ちてる。いいCMだと思います。
アイデアカテゴリは、「ありえない映像をリアルに作る」、「目撃する」、
そして夢のような景色を非常識な形で実現化しているので
「理由のある狂った行動」にも入れておきましょう。
投稿者 galliano : 11:55 AM
October 18, 2007
TVC080 Hydro / BRAND / Train 他
「ノルウェーには若いエンジニアがたくさんいます。私達は彼らが成長するのが待ち遠しい。Hydro」
これはすごい!ノルウェーの企業がエンジニアリングの興奮と楽しさを子供達に伝えるために作ったCMです。今年の6月に制作されたCMなのでちょっと情報は古いのですが…。このフィルム、僕は大好きです。まずは放課後の時間帯にMTVと民放でオンエアして子供達にリーチ、そして夜半に再び民放でオンエアして両親にリーチさせたそうで。クライアントのブランディング担当者は「エンジニアはかっこいいんだという事を伝えたかったんです」と言ってます。そうです。エンジニアはかっこいいんですよ。僕の中学校の時の夢はエンジニアになることでしたから…。そういう子供ってこの国では、いまでも「オタク」の一言で女の子から敬遠されてるのでしょうか。それじゃいかんのですよドン!(机を叩く) ところでこの広告的アプローチは日立の「つくろう」キャンペーンに近いと思うのですが、このノルウェーの広告の方が無邪気なエンジニアリング的興奮が伝わりますね。僕もいまでも電子回路を作ってスイッチをオンして動いた時はやっぱり興奮しますからねー。それは広告をあらかじめワークするように設計しておいて、オンエア・掲載という「スイッチ」を押して予定通りの結果が出た時の興奮と似てるかも。
また世界観としてはソニーのラチェット&クランクのCMにも似てますね。CMアイデアカテゴリは「ありえない映像をリアルに作る」「マニアになる」「目撃する」「誇張する」とします。
ちなみに下は上の「トレイン」篇と同時に作られた別バージョン。お父さんの車がえらいことになってます。
Client: Hydro
Title: Train
Agency: DDB, Oslo
Production Company: Motion Blur, Oslo
Director: Roenberg
投稿者 galliano : 01:15 AM
March 11, 2005
TVC024 ゴーダディー.com / 企業 / 「放送検閲審問会」
TVC024:
"Broadcast Hearing"
by The Ad Store Inc.
for GoDaddy.com
(最初に他のCMが流れます)
【CMストーリー】
CMの放送内容について審議する会に、ある女性が広告主の代表として出席していた。白のタンクトップが、ドキッとするほどセクシーな彼女。審議会のメンバーから次々といろんな質問が飛ぶ。彼女はその問いに真面目に答えていく。しかし突如ハプニングが発生して…
【コピー】(ヒアリング協力:うららさん)
スーパー:放送検閲審問会
ゴーダディー.com審査手続き中
男性1:カペレさん、どうぞ。
スーパー:ミス・ニッキ・カペレ
カペレ:はい、私はコマーシャルに出たいんです。
スーパー:ボブ・パーソンズ
男性1:何を広告する予定なんですか?
カペレ:それはゴーダディー.comの… あっ(ブラのストラップが外れる)
すっ、すいません…たったの年8ドル95セントで
好きな.comアドレスが登録できるウェブサイトなんです。
スーパー:エレノア・フラトー
女性:実際CMでどんなことをするつもりなんですか?
カペレ:こんな風に踊りながら回ったり…
スーパー:トム・ロッサノ
男性2:ええと、何か我々に対して反対意見があるご様子ですが ?
カペレ:すいません…皆さんに反対意見なんてありません…
女性:ちょっとご提案があるのですが…タートルネックにしてはいかがでしょう…
スーパー:その他のサービスについては、ゴーダディ.comへどうぞ。
【CMアイデアカテゴリーと解説】
立派な状況の中でくだらないことをする+目撃する+アダルト
お待たせいたしました。今年のスーパーボウルCM中、最大の問題作、ゴーダディドットコムのCMです。このCMはスーパーボウルの中で2回放送される予定でした。しかし1度目を放送した後に、内容のあまりのお下劣さのために2度目の放送が突然中止されてしまったといういわくつきのCMです。
このCMは、どうやら実際の審査会を撮影したものではないようです(多分)。なぜなら、途中に出てくるボブ・パーソンズという名前は、ゴーダディ.comの社長の名前なのですね…たぶん出演しているのは本人ではないと思いますが。もし実際の審査会で撮影したものであれば、さらに笑えますね!
そしてそのボブ・パーソンズは自分のブログで今回のFOXの放送中止の決定について吠えまくっています。
騒ぎから一月たった今では和解に達したようですが。
とにかくこの騒ぎでゴーダディ.comの知名度は急上昇、1度オンエアされただけなのに、そのCMの話題はネットを駆けめぐり、サイトに訪問した人の数も数倍になったそうです。そしてこの人騒がせなCMで最終的に笑っているのはゴーダディ.com本人…間違いなくこれは確信犯ですね。すっごい表舞台で実行されたゲリラ攻撃。広告テロ。アタマがいい。わたくし感服いたしました。
ではおまけとして、審議会のやりとりのほとんどが入っている
このCMのロングバージョン(2分)もご覧ください!
TVC025: "Broadcast Hearing Long version"
【予測されるアドアイデア】
ゴーダディドットコムは、革新的なインターネットサービスを提供します。
【私信】
広告審査会、ちょっと人ごとではない題材ですよ…(笑)
では今晩はまだ作業があるのでここまで、です☆
"Broadcast Hearing"(60sec. 120sec.)
agency: The Ad Store Inc.
client: godaddy.com
director: Bryan Buckley
country :United States
year :2005
投稿者 galliano : 03:30 AM | コメント (2) | トラックバック
February 26, 2005
TVC011 アンホイザー・ブッシュ / 企業 / 「賞賛」
TVC011: "Applause" by DDB Chicago for Anheuser-Busch
【CMストーリー】
ある日のアメリカの空港にて。
旅行客やビジネスマンが、それぞれの時間を過ごしている。
そこに現れた米軍の部隊。任務でどこかの国に向かうらしい。
制服を見る限りでは、どうやら行き先は砂漠方面のようで…
そして空港で起きた出来事とは。
【コピー】
感謝します、あなた達に。
アンホイザー・ブッシュ。
【CMアイデアカテゴリーと解説】
目撃する+実証する
さて、スーパーボウル2005からの海外CM第五弾は、これまたアンホイザー・ブッシュ(バドワイザーの会社)からの作品です。Ad Meter調査ではTVC006のバドライト、TVC009のアメリクェスト抵当会社に続いて、堂々の3位でした。
このCMについてはアイデアを検証することが難しいですね… でもこのCMが流れた後では、どこの空港でも軍隊が現れたら大なり小なり拍手が起きていると思います。(目撃する+実証する)企業の姿勢を見せるだけではなく、そういうムーブメントを起こすことが目的であるとすると… それ自体がこのCMのアイデアなのでしょう。その目的のためには、2億5千万かけてオンエアすることにも意味があったのだと思われます。
本当に伝えたかったメッセージは、「私達は、この国を愛する人々のためのビール会社です」ということでしょうか…しかしそんな事は一切語らず、コピーは「Thank you」のみ。それだけでメッセージが、いやらしくなく、真っ直ぐ、充分に伝わります。これまたすごくアタマのいいアプローチだと思います。贅肉ゼロの、引き締まった筋肉で作られたCMですね。
【恥ずかしながら最近気づいたこと】
最近あるブランドの作業をしていて、突然「ブランド広告」と「商品・キャンペーン広告」の物理的な違いに気づきました。それは「ブランド広告が発するメッセージは普遍的なものであるべきであり、かつ、メッセージ内に社名や商品名などがあってはならない」ということです。よく軽々しく、ふだんの仕事で「ブランド広告を作る」など言われてます。しかし、そのメッセージ内に社名などが入ってしまった途端に、それはブランド広告ではなく、ほとんど「商品・キャンペーン広告」になってしまうと思うのです。
このCMの場合で考えてみると、たとえば「Thank you」ではなく、
「アンホイザー・ブッシュは、すべての兵士にエールを送ります」
というコピーメッセージが最後に出たらどうなるでしょうか。これはもはやブランド広告ではなく、企業のためのキャンペーン広告ではないでしょうか。こうなると、視聴者から見てそのCMは企業の自慰行為にしか見えないでしょう。でも、この「メッセージ」と「企業・商品」の距離感がとても難しい。広告から企業・商品が一歩引くというか。ここがわからない間は、ブランド広告は語れも作れもしないのではないか。まぁそんな大事な事を38歳にもなって気づくわけですよ…(笑)
【アンホイザー・ブッシュのDNA】
ちょっと記憶が定かではないのですが、確か911の次の年のスーパーボウルのCMは、←の写真のようなバドワイザーのデリバリー用馬車をひいた馬たちが、WTCが無くなってしまったマンハッタンの方向を向いて膝をついて礼をするという内容でした。今回のTVC011はそのCMのDNAを受け継いでいるわけです。
【このCMを見た後に思わず考えてしまったこと】
なぜ日本では自衛隊のCMがないんでしょうかね。これだけ世界や災害などに貢献してきた自衛隊に
入隊しようキャンペーンがあってもいいかと思いますが。もちろん入隊は自由意志であるべきですね。
命を張って国を守ろうという人々が尊敬されないのはおかしいと思うのです…
日本人であることに誇りがあるならば、その誇りを誰かが守らなければいけないですよね。
とかいって全然右翼じゃないですよ! 戦争は起きない方がいいに決まってますし!
あぁ難しい問題になってしまった。うーむ。
では気を取り直してまた次回!
【まめ知識】この真面目なCMを作った監督、TVC006の監督と同じ人ですから!器用ですね!
"Applause"(30")
client : Anheuser-Busch
agency : DDB Chicago
director: Joe Pytka
country :United States
year :2005