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June 28, 2005
TVC055 レクサス / RX400h / 「新構想」
TVC055:
"Brainchild"
by Saatchi & Saatchi, London
for Lexus
(動画がスタートするまで時間がかかることがあります)
【CMストーリー】
漆黒の闇の中で、突如、数千の光の束が生まれる。光達は一斉に空に向かって伸び、枝分かれし、からみあう。やがて一本の光が殻の中から飛び出し…
【コピー】
<ナレーション>
あるアイデアは、発展する。
あるアイデアは、突破口を見いだし、すべてを変えてしまう。
ご紹介します。世界最高のパフォーマンスを持つハイブリッドカー。
レクサスRX400h
私達の脳から生まれた新構想。
【CMアイデアカテゴリーと解説】
説明する。
たいへん美しいレクサスのCMです。アイデア達が脳の中で生まれて、神経細胞のようにからみあい… やがて強いアイデアが外に飛び出し、他の人に影響を与えていく様子が描かれています。このハイブリッドカーは脳から生まれた新構想である、というメッセージを力強くビジュアルで説明しています。ラストに商品カットとしての車が出て来ますが、全体のアートディレクションが壊れないように半透明なCG表現で見せています。これが日本のCMだったら、間違いなく実際の車に置き換わると思います…
監督はフランスのLaurent Bourdoiseauさん。こちらに別のビデオ作品があります。どちらの作品も、大画面で見てみたいですね…!
後半、他の人の脳?の中に一本のアイデアが刺さる瞬間の音楽がとても印象的ですね。ナレーションのタイミングもパーフェクト。全体のサウンドデザインがすごく計算されてます。ま、これが世界の第一級の「普通」だとも言えるのですが…
そう、音楽…この曲を聴いて、13歳頃(25年前!)に聞いたヴァンゲリスの「コスモス」のテーマを思い出しました!「コスモス」はカール・セーガン博士がパーソナリティーを務めた宇宙がテーマのTVシリーズ。中一だったわたくしは食い入るようにTVにかじりつきながら見てましたよ…
Brainchild [単数形で] 《口語》 新構想; 新案,発明品.
"Lexus - Brainchild" (90")
Agency: Saatchi & Saatchi, London
Producer: G. Cundiff
Director: Laurent Bourdoiseau
Production Company: Independent, London
[TVC][19 説明する]
wrote by galliano : 10:52 AM
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June 26, 2005
TVC054 ステラ・アルトワ / ブランド / 「犠牲」
TVC054:
"Le Sacrifice"
by Lowe
for Stella Artois
【CMストーリー】
寂れた庭で一本のビールを見つめる4人の男。何かに怯えながら、しかし飲みたいという欲望にかられる4人。突如、一人がひったくるようにビールを飲んでしまう。そして彼は…
【コピー】
ステラアルトワ。間違いなく象です。(※説明は下に)
Stella Artois, Reassuringly Elephants.
【CMアイデアカテゴリーと解説】
理由のある狂った行動+時代を変える+引用する
ビールの高級ブランド、ステラ・アルトワの新作です。しかしこれまでの歴史ドラマとはちょっと雰囲気が違う。何やら不思議な音楽と映像、一度見ただけでは何が起きてるのかさっぱりわからない…過去の作品達とは何かが違う…と思って調べてみると、なんと監督はアワードウィニングディレクターのフランク・バジェン(Sony PS2 "Mountain"の監督)でした。
題名は「犠牲」そのコトバはわかる。しかし最初見た時はなんのこっちゃ、ストーリーも何も、さっぱり意味不明。何度かくりかえして見て、やっと話が飲み込めました…
ステラ・アルトワのCMメッセージはいつも同じ、「間違いなく高くつきます」です。そこから考えると意味がわかってきます。…このCMの中でのステラ・アルトワは、飲むと自分の姿が「何か」に変わってしまうビールなのです。それが「何」に変わってしまうのかは、わからない。どうやら最初には5人の人間がいたようで、初めの男はバイオリンに変身してしまったらしい。次の男は蟻が生まれてくる卵に…そして3人目はダチョウに変わってしまう。そうなることがわかってるのに、自分を犠牲にするほど高くつくのに、飲みたくなるという恐ろしいCMなのですね。どう見ても狂った行動なのですが、理由はわかる。
そんなシュルレアリスムな世界を描くには、シュルレアリスム映画のイメージを引用するのが一番。とフランク・バジェン達は思ったのでしょう、映像は時代を変えて1900年代初頭の無声映画の雰囲気が引用されています。「吸血鬼ノスフェラトゥ」のF.W.ムルナウや「アンダルシアの犬」のルイス・ブニュエルな印象のイメージが炸裂。訳がわからない映像なんだけど、どこかで見た感じ、懐かしい感じに見えるように慎重に仕上げられています。
さらに音楽はクララ・ロックモアのテルミン演奏による、チャイコフスキーの「感傷的なワルツ ヘ短調」ですよ…もうのたうちまわるほどアンダーグラウンドの、どメジャー感覚で作られてます!うーしびれる!完璧すぎる…え?テルミンをご存じでない?では映画「テルミン」も見てらっしゃらないのですね。ここで勉強してきてください〜!
しかし…どうしてここまで視聴者に歴史的な知識が求められる知的な遊びが、広告という世界で可能になっているのでしょう…悔しすぎる…けど負けませんよ!
※:あと最後に一言…コピーの部分、
ステラアルトワ。間違いなく象です。
Stella Artois, Reassuringly Elephants.
は、いつもなら
ステラアルトワ。間違いなく高くつきます。
Stella Artois, Reassuringly Expensive.
のはずです。わざと間違えてますね…
副題にも「シュルレアリストの歴史」と書いてあるぐらいで、
最後までわけがわかりません…もちろん計算ずくで。
【予測されるアドアイデア】
ステラアルトワの価値は、思わず自分の存在を犠牲にしてしまうほど高い。
"Le Sacrifice" (60")
Agency: Lowe
Creatives: George Prest/ Johnny Leathers
Production Company: Gorgeous Enterprises
Director: Frank Budgen
DP: Frank Budgen
Sound Production Company: Andy Humphreys/ 750 MPH
Music: Clara Rockmore/"Valse Sentimentale" by Tchaikovsky
[TVC][03 理由のある狂った行動(Crazy but justifiable action)][10 時代を変える][26 引用する]
wrote by galliano : 11:48 PM
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【速報】2005年カンヌ広告祭受賞作発表!
今年のカンヌ広告祭において昨日土曜日、すべての受賞作が発表になりました!
フィルム部門の栄えあるグランプリは…イギリスのワイデン&ケネディによるホンダのCM「GRRR」でした!わたくしこのCMを最初に見た時にはストーリーがよく理解できなかったのですが…広告予想屋の「たく」さんのブログに翻訳と解説がありました。それでやっと意味がわかりましたよ…
歌われている歌詞は「何かを憎もう。何かを変えよう。何かベターなことをしよう♪」という意味だそうです。かわいいアニメーションとちょっとヘビーな歌の内容で「ガソリンエンジンよりもクリーンなディーゼルエンジン」をアピール。とにかく、変わったCMです! CGは原色が多用されている20年前のテイスト、デザインは70年代のイエローサブマリン風テイスト。一度見たら忘れられません。
日本からのカンヌ広告賞受賞CMは2本、シルバーに味の素スタジアム、ブロンズにタワーレコードが入賞しました。おめでとうございます!
gallianoはというと…今年は出品しませんでした。
来年度の応募でチャレンジいたします!
wrote by galliano : 02:40 PM
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galliano氏、初の高校生向け講義終わる
社会でプロフェッショナルとして活動している人間が、講師として高校一年生を相手に「自分の仕事」について説明するという試みが25日、世田谷区内の某高校で始まり、galliano氏(38)が第一回目の講師として60人の高校一年生を前に1時間の熱弁をふるった。背景には、社会に出る前に社会人と触れる機会を持つことが人生教育に必要だという学校側の考え方がある。
galliano氏は事前にPowerpointによるレジュメを用意、その文字を読めば講義が自動的に進んでいくという手法をとった。レジュメの枚数は画像も含めて総計256枚。1枚あたりの文字数を減らし、文字の大きさを最大限まで拡大した。いわゆる高橋メソッドである。これにより途中でつっかかること無く講義を終えることが可能になり、質疑応答までスムーズに進行。途中数カ所の笑いどころも軽くヒットし、終始なごやかな雰囲気で講義が終了した。
静かだった講義室が一瞬にして様相を変えたのは、質疑応答も出尽くして約1時間半の講義が終了し、解散となった後の事だった。タレントの生の情報を聞きたがった女子生徒達がgalliano氏を取り囲んだのだ。質問に答えていくgalliano氏に、こんどは女子学生達から次々とノートが差し出された。「サインしてください」予測していなかった女子生徒の動きに戸惑いを隠せないgalliano氏であったが、次々と笑顔で対応。やがて男子生徒の中からも新しい質問が飛び出し始め、生徒達はホームルームの時間が来てもなかなか教室に帰ろうとしなかった。
終了後、ガリ氏は満足した表情で記者団にこう語った。「長い話になってしまったんですけど、結局は『広告クリエーターはモテる』という、バカバカしいながらも仕事モチベーションとして重要な話を伝えたかった。最後の騒ぎはその証明となったので良かった」(9:48)
というわけで、高校生の皆さんを相手に講義してきました。なんかバカっぽく見える記事風にしてみましたが、マジメな話もたくさんしたんですよ(笑) 先生方、楽しい機会をいただき、ありがとうございました!
[blog]
wrote by galliano : 09:47 AM
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June 22, 2005
香港media誌に寄稿(1)
"Galliano ON THE SPOT"
毎度の香港発マーケティング雑誌「media」に依頼されて、
短い自己紹介みたいなQ&Aに答えました。
以下はその記事の再録です。原文は英語です。
media6月3日号は 現在アジア各国で絶賛発売中です!
●自分の仕事でいちばん気に入ってるところは?
これまでに世の中に存在していなかった アイデアを作るということ。
●最悪のポイントは?
15秒のCM。短すぎる。
●いちばん好きな映画は?理由は?
ブレードランナー。暗くて未来的なのに叙情的だから。
●好きな本orCDは?
ゲッツ・ジルベルト
●好きな小説は?
時計仕掛けのオレンジ
●好きなレストランは?
目黒のトンカツ屋「とんき」
●何かガジェットを持ってますか?
iPod
●いちばん好きなファッションデザイナーは?
ジョン・ガリアーノ
●クローゼットの中でいちばん変わった服は?
黒のTバック(昔持ってただけで、今はありませんよ…)
●趣味はなんですか?
スキー・ドライブ・お酒
●休日に行くお好みの場所は?
箱根の温泉
●もしあなたの自伝映画が作られるとしたら、
あなたを誰に演じてもらいたいですか?
金城武
●その題名はなんでしょう?
「漫画家になれなかった男」
●あなたがブランドだとしたら、それはどんなものでしょう?
なんだか面白くて、過剰にクオリティが高くて、馬鹿馬鹿しいもの。
●いちばん好きな広告は?
プレステ2の「Mountain」
●過剰評価されているポイントは?
知的であること。
●過小評価されているポイントは?
真面目であること。
●バーガーキングとマクドナルド、どっち派?
ダブルワッパーが好きなんですが、バーガーキング、日本にないんです。
●以下の文章を完成させなさい。
もし、○○○できたら素晴らしいのに…
もしチャン・ツィィと食事できたら素晴らしいのに…
●家で寝る前に頭の中を横切ることってなんですか?
ランボルギーニムルシエラゴが上げるエンジンの咆哮。
あんまり面白くできませんでしたね(涙)
みなさんだったらどう答えます?
(英訳協力:うららさん・いつもありがとう!)
[blog]
wrote by galliano : 11:28 AM
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June 21, 2005
TVC053 トヨタ / Scion xB / 「あなたを動かすもの」
TVC053:
"What Moves You_xB"
by The Attik Design
for Toyota Motor Corporation
【CMストーリー】
高架鉄道の下にたたずむ一台の車。行き交う鉄道のノイズ。と、突如その車はいろんなスタイルに姿を変え始める…
【コピー】
2005年式、xB。 サイオン、あなたを動かすもの。
【CMアイデアカテゴリーと解説】
あり得ない映像をリアルに作る+グルーヴ
トヨタxB、日本名BBのアメリカ向けCMです。車の変形の手法に新しいセンスを感じます。日本のアニメの影響も感じます。かなり手間がかかってます。若者をターゲットにした商品こそ、こういう手間のかかった手抜きじゃないクリエーションが必要だと思います。それに較べて日本のCMは…いえ、やめておきましょう(笑)あり得ない映像と音楽を中心としたグルーヴ感って、やっぱり新鮮で相性がいい!車が変形といえば、このシトロエンC4のCMもアイデアとセンスがありましたよね。そしてわたくしはシトロエンのCMの影響で、先日ボーナスでトランスフォーマーG1ムスタングGTを買ってしまいましたよ…
トヨタScionブランドのページ。こんなブランドいつできたの??
"What Moves You_xB"(60")
client : Toyota Motor Corporation
agency : The Attik Design
Product : Scion xB
Market :United States
year :2005
[TVC][02 ありえない映像をリアルに作る(Real-looking unreality)][32 グルーヴ]
wrote by galliano : 11:01 AM
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June 09, 2005
TVC052 ウィータビックス / ブランド / 「かかし」
TVC052:
"Scarecrow"
by DDB London
for Weetabix
【CMストーリー】
ある所に一人のかかしがいた。しかし彼はカラスを追い立てることができず、農場を追われてしまった。そんな彼をある農夫が引き受けて…
【コピー】
昔々、ある所に一人のかかしがいた。
しかし彼はカラスの来襲に耐えられなかった…
やがてかかしは家を追われ、道に迷い…
そんな彼を拾った男がいた。
自然のままの穀物畑を持つ農夫だった。
(中略・というか聞き取れず…)
ある日、かかしはふたたび
カラスを怖がらせることができた!
ウィータビックスの印があるところのすべてに、
穀物の滋養がたっぷりと含まれています。
ウィータビックス、あなたは何から出来ていますか?
【CMアイデアカテゴリーと解説】
意外な利用方法+擬人化する
穀物からできているシリアル食品、ウィータビックスのCMです。
全体が、なんとなくティム・バートン調ですごく素敵です。という僕は、ナイトメアー・ビフォア・クリスマスが大好きなんですよ…
かかしの顔が、どうにもグロテスク。でも目はとても純真そうで、傷つきやすそうで、なんだか人ごとに思えなくなって来ます。そんな彼を見つめる心の優しそうな農夫…
前半の「悪」のイメージから後半の「善」のイメージへの転換が、商品特性の伝達にも貢献しています。暗い、曇った空から、まばゆいばかりの光にあふれた世界へ。その移り変わりに注目です!
人に食べさせるのではなく、栄養が足りなくてやる気を無くしたかかしを擬人化し、彼に商品の原料を食べさせています(意外な利用方法)。と同時に、農夫は商品を食べてるんですよね…上手い!
美しい絵本を見ているような優雅な気分にさせてくれます。アホアホしいCMも好きだけど、こういうどこか夢のようなストーリーも素敵ですよね。
そして夢のようなストーリーには、夢を支えるセンスとテクノロジーと完成度が必要です。これまた、ポストプロダクションはThe Millですよ…
決めた。近く絶対The Millと仕事します!
【予測されるアドアイデア】
元気を出すためには、穀物の滋養が必要だ。それが人間でなくても。
▼Galliano's TVC Reviewのランキング順位はこちら!
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"Scarecrow" (60")
client : Weetabix
agency : DDB London
director: Blue Source
Post Production: The Mill
Shoot Supervision: Chris Knight & Satoko Iinuma
Market :UK
year :2005
▲スタッフの中に日本人名を発見!
売り上げランキング: 26,296
通常24時間以内に発送
大好きな映画
What's this?!
[TVC][06 意外な利用方法][16 擬人化する]
wrote by galliano : 09:59 AM
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June 08, 2005
TVC050-051 テスコ / チェロキーブランド / ナオミ1・2
TVC051: "Naomi 2(20")"
by Lowe
for Tesco
【CMストーリー】
リゾートホテルにやってきたナオミ・キャンベル。スーパーモデルとして、ホテルマンに優雅な微笑みを投げかける。と、その横には何やらセールのような文字が浮き出てきて…
【コピー】
(Naomi)
タンクトップ8ポンド、パレオ5ポンド、スカート20ポンド。
チェロキーデザイン。テスコプライス。
(Naomi 2)
先生: 「今日は『怒り』について考えてみましょう。
まずはニューメンバーの紹介から。」
ナオミ:「ナオミです…」
(ドレス10ポンド)
ナオミ:「。。。。。。!!!!!(怒り始める)」
先生: 「落ち着いてナオミさん、大丈夫、
怒りに身を任せないで!座って!
座りなさい!座れ!」
【CMアイデアカテゴリーと解説】
プライドを傷つける+文字化する
ナオミ・キャンベル主演のアパレルブランド、チェロキーのCMです。日本では知られていない名前ですが、値段を見る限り、とても安い価格帯のブランドです。とはいえ、「安価だけど安っぽくない」という二律背反なメッセージをいかにファッショナブルさを失わずに伝えるかという難題に見事に答えています。
1本目は30秒、2本目は20秒。しかし2本目は、なんとか詰め込めば15秒になりそうです。ということは…このCMと同等の面白いCMは、日本でも作れるはずですよね!
最近思うのですが、30秒あればストーリーを作ることができます。15秒でできるのは点景を見せることぐらいで、ストーリーはほぼムリ。
ここでは30秒でCMの世界観とストーリーを見せて、20秒はその世界観のリマインドに徹しています。が、単なる30秒の短縮形ではなく、20秒CM専用に点景としての別シチュエーションを作ってあります。この心理セラピーセミナーみたいな設定のまま30秒を作れば、ナオミ・キャンベルはこのあと延々10秒もの間怒り続けなければなりません。それは見ていて辛いですよね…(笑)
訴求内容を文字化して見せ、その結果、スーパーセレブのプライドをずたずたに傷つけて、怒らせています。人のプライドが失墜するところって、他人から見ると面白いですよね!
編集ポストプロダクションは毎度のThe Mill、音楽、サウンドデザインはこれまた毎度の750mph。出た!黄金のタッグチームですよ…!!
【予測されるアドアイデア】
チェロキーの服の値段は、他人にバレるのが怖いほど安い。
TVC050: "Naomi(30")"
TVC051: "Naomi 2(20")"
agency : Lowe
client : Tesco
year :2005
Director: Bryan Buckley
Production Company: Hungry Man, London
Post: The Mill
Music And Sound Design: 750mph London
[TVC][04 プライドを傷つける][13 文字化する]
wrote by galliano : 01:43 AM
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June 05, 2005
TVC049 ネスレ / エアロ / バブルガール
TVC049:
"Bubble Girl"
by Lowe London
for Nestlé
【CMストーリー】
音楽に合わせて、生まれては消えていくチョコレート色の泡たち。やがて幾重にも重なったストリングスが聞こえてくると、それらの泡がチョコを味わう女性の顔に変化していく。。。
【コピー】
さらにクリーミーになった「エアロ」
泡が溶ける感触を感じたことがありますか?
【CMアイデアカテゴリーと解説】
説明する
日本でも発売されてるネスレのエアロのCMをご紹介。エアロの日本でのCM展開はけっこう若者向けな印象があったのですが、イギリス版のCMはぐっと大人調。とても品質が高いアニメーションとゴージャスな音楽の組み合わせがとても気持ちよく、エアインチョコの豊かな味わいがダイレクトに伝わって来ます。
特に、この個性的なアニメーションが印象的ですね。日本はアニメ大国として知られていますが、それはセルアニメーションに限ってのこと。イギリスだって、広い意味でのアニメーション制作にとても強い国なのです。
たとえばアードマンスタジオ。ここからは「ウォレスとグルミット」などの良質なストップモーションアニメが生まれてきています。(おまけ:ウォレスとグルミットの最新作予告編)
そして、このCMを制作したアニメーションスタジオは、Passion Pictures。僕も数年前に一度仕事をしたことがあります。それは「Renault Twingo」CMの日本向けアダプテーション(※)作業でしたよ…
当時はロンドン市内の小さなスタジオで、1Fは事務所、2Fには手書きアニメーション用のライトボックスが並んでいました。今はきっと大きくなってると思います。是非Passion Picturesの作品群もご覧ください。今日は日曜日ですし…☆ Loardingの絵なんて笑えますよ!!
制作プロダクションはMTVのスタッフ達が独立して作ったPSYOP(サイヨップ)。ここの作品群も、かなりセンス良さげです。
音楽はヘンリ・マンシーニ作曲の「A Slow Hot Wind」ストリングスの甘い調べがオシャレ気分を盛り上げてます。というか個人的に大好きなんです。ヘンリ・マンシーニの曲が。
味わいを音楽と共に映像で説明する、ということでグルーヴ+説明するというアイデアカテゴリーにしましたが、「映像化する」という新カテゴリーを作りたくなりました〜。。
※アダプテーション:海外で作られたCMを日本向けに再編集して仕上げること。なんのアイデアも必要とせず、自分で作った!と胸を張って言えないので日本のクリエーティブスタッフにとってかなり悲しい作業となる。
"Bubble Girl" (30")
client : Nestlé
agency : Lowe London
year :2005
[TVC][19 説明する][32 グルーヴ]
wrote by galliano : 02:17 PM
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June 03, 2005
TVC048 ホンダ / 企業 / 「ユメ ノ チカラ」
TVC048:
"Yume No Chikara"
by Wieden + Kennedy UK
for Honda
【CMストーリー】
会議室にて、何やらアイデアを練っている人々。
考え事が浮かんでくると、耳から白く丸いモノが膨らんできて…
【コピー】
「ユメ ノ チカラ」
その英訳は、「The Power Of Dreams」。
日本では「夢を持つ」とは言いません。
「夢を見る」と言います。
実現させるつもりがなければ
「夢を持つ」ことに何の意義があるのでしょう。
HONDA The Power Of Dreams
【CMアイデアカテゴリーと解説】
置き換える・例える+説明する
イギリスにおけるホンダの企業CMです。「The Power of Dreams」という、ホンダがグローバルに展開している企業アイデンティティを伝えるために制作されています。このCMが、今年の4月あたりからイギリスで話題になっているらしく。
ホンダのUKサイトでも、HPのトップでキャンペーンを盛り上げています。
最近アジアで日本人が日本語で出演するCMがちょっと流行しましたが、ヨーロッパで、日本の大企業が字幕もつけずに日本語のセリフをCMでしゃべらせる、というのはかなりレアなケースだと思います。(20年程前、確かオーストラリア用に、スズキの4輪駆動車の日本語CMがありました。)
頭から浮かんでいる夢が、風船のように膨らんでいます。というかまるっきりゴム風船です。しかし出演者達にとって、それは通常の風景として描かれています。やがてアイデアが出なくなったりしぼんだりして、ちょっと休憩している間に、突如、ひとりの頭に大きなアイデアが生まれます。その大きく膨らんだアイデアがテーブルの上に浮かび上がり…
とても上手で、感情移入できるストーリーですね。
アイデアが生まれる瞬間を膨らむ風船に例えて、視覚化し、企業思想について説明しています。出演者に有名人がいなくても、特撮技術などを駆使しなくても、アイデアと演出の力で強い表現が生まれるという好例でしょう。
逆光気味のラストが、なんともいえず感動的です。
最後に風船が画面を横切り
ロゴが浮かび上がるアートディレクションも上手い。
大きな風船が浮かび上がった時のサウンドデザインにも、
注目というか注耳ですね。
"Yume No Chikara"
client :Honda
agency :Wieden + Kennedy
country :United Kingdom
year :2005
contact :www.wk.com
▼「夢を力に」→The Power Of Dreamsだったんですね!
日本経済新聞社 (2001/07)
売り上げランキング: 2,623
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[TVC][05 置き換える・例える][19 説明する]
wrote by galliano : 11:36 AM