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03 理由のある狂った行動(Crazy but justifiable action)

April 10, 2015

TVC162 Wilkinson Sword / Brand / Swordplay

Wilkinson Sword ウィルキンソンソード 両刃替刃 50個入り (5 x 10) [並行輸入品]
ウィルキンソンソード
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明けましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。

…ってもう4月ですがっ!桜も散りかけてますがっ!

いやー昨年末から無茶苦茶忙しかった。土日も無いような日が続き、情報収集もロクに出来ないまま時間が過ぎていたのですが、今日(金曜日)は代休とっちゃったもんね!

というわけで久しぶりのアップ。髭剃り製品で知られるウィルキンソンソードのCMをご紹介。ちょっとだけ、アダルト系です。

あっそうだ、このブログは今年で10周年なんです。皆様のご愛顧と細々としたアフィリエイトで運営しております。いいね!とかツイートとか、諸々ご反応のほど、宜しくお願い致します。



最後に出てくるForeplayの意味は、前戯です(きゃっ)。だから『FOREPLAY MEETS SWORDPLAY』ってのは『<前戯>と<遊戯(刃戯?)>が出逢ったら』って感じでしょうか。Play繋がりの言葉遊び、ダジャレですね。そしてこれは、CM全体のタイトルと言えるでしょう。

タグラインは『FREE YOUR SKIN(肌を露出せよ)』で、こちらはストーリー展開のコンセプトになっています。英語らしい言葉遣いや定義付けの構造が気持ちいいですね。

というわけで、CMが伝えようとしているメッセージは『刃物を使って(←遊戯)肌を露出して(←髭を剃って)前戯に臨みましょう』ということです。シンプルで良い!

また、描かれている決闘スタイルは、ウィルキンソンソードが英国陸軍御用達の長剣製造業者として243年前に誕生した歴史も表現しているそうです。

とはいえ、それで前戯を表現するって、これはトップダウンじゃないと通らない企画でしょうね。案を下から上に順に上げていく日本的意思決定システムでは到底実現しませんわなぁ。ふぅ。


CMアイデアカテゴリは「理由のある狂った行動」「置き換える・例える」「アダルト」とします。


▼DUELでググッてたらスピルバーグのデビュー作『激突!』が出てきました。これ名作なので宣伝会議の生徒の皆さんは必ずレンタルして見るように。90分ですぐ終わります。

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投稿者 galliano : 12:11 PM

October 14, 2012

TVC150 Canadianfilmfest / Brand / In The Bank

もうすぐ東京国際映画祭ですね。

近日公開の映画として僕が楽しみなのは、シルク・ドゥ・ソレイユによる3D映画『彼方からの物語』なんですけれども、それはそれとして、今日ご紹介するのは本年度春に開催されたカナダ映画祭のCMです。映画を愛する人々が、その愛のあまり、異常な行動に出てしまいます。

シリーズは全3部作。まずはこの『銀行にて』篇からどうぞ。

【コピー】
あなたのような人々のための映画祭がある。
THERE'S A FILM FESTIVAL FOR PEOPLE LIKE YOU

いいですねー。『彼女は異常で不可解な行動に出た。何故だ。その理由は…』という、
『驚き』と『納得』のパターン。ですね。実に王道で素晴らしい。

ちなみにこういう人種が出勤時に何をしているかというと、こういう行動です。

この手の人種は、エレベーターでも大胆な行動に出ます。

アイデアカテゴリは『理由のある狂った行動』『マニアになる』『無茶する』の3本です。

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投稿者 galliano : 01:02 AM

October 03, 2012

TVC147 DnB NOR / Children's House Savings Account / Rocket

モンスターペアレンツやキラキラネームというコトバをよく見るようになって久しいですが、それが広告のネタに使われる事はなかなかありませんね。しかし勇気を持ってこの種をネタに広告を作った国がありました。ノルウェーです。さすがスカンジナビア半島というか、過激さという点ではピカ一です。というわけでCMをどうぞ。

とある親子の話です。しかしこの親子はまったく普通ではありません。なんと母親と息子が1年前から婚姻関係にあります。しかもノルウェーでは法律的に結婚できないので、ヘーベカーキィ(たぶん実在しない街)という街まで引っ越して来ました。さらには息子が貯めてきたお小遣いを浪費して、火星行きのロケットを作ってしまいます。何故そんな事になったかというと、小さい頃に息子がこう語ったからですね。『僕は大きくなったら大好きな両親と結婚するんだ!だって一生一緒にいたいもん!そしてお金を貯めてロケットを作って、アイスクリームを火星に持っていくんだ!』そしてこの母親は息子を愛するあまり、これら全てを実行したのです。息子の貯金を浪費しながら。

演劇的な世界の中で狂気を効果的に描く方法は一つだけ。それは『強い共感のある狂気』を描く事。登場人物が本心から正しい判断だと考えて異常な決断を下す事。その動機が強く理解出来るのに、行った行動が100%間違っている事。これがドラマチックな狂気です。サイコホラーの常道ですね。ヒッチコックの『サイコ』も、ホラー映画シリーズ『SAW』も同じですね。このCMの製作者はそれがよく判っています。

ガリ意訳コピーは『子どもたちが欲しがるモノを与えるな。必要としているモノを与えよ。子どもたち専用お小遣いアカウント、デビュー』です。こんなバカな親になるなよ、というネガティブアプローチですね。いやぁ、ガクブル。

CMアイデアカテゴリは『理由のある狂った行動』『誇張する』とします。

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投稿者 galliano : 12:08 AM

September 17, 2012

TVC140 Andes Beer / Brand / A Singular Man

アンデスビールはアルゼンチンのビールで、『Teletransporter』というアンビエント広告が2010年のカンヌOOH部門でグランプリを獲得したことでよく知られています。ここがまた妙なCMを作ったのでご紹介します。

Andes Beer is the leader beer brand of Argentina. They are famous for an ambient advertising named "Teletransporter" which won Cannes OOH Grand Prix in 2010. I will introduce here their blanc new strange CM.

▼2010 Cannes OOH Grand Prix "Andes Teletransporter"
Andesbeer

字幕:ガリ訳

男『ルイーズさんですか?』

女『手伝わせてください。』

女『ダンスできますか?』

男『手を貸してくれて感謝してる。
  でも もう君がいなくても大丈夫なんだ。』

女『なんてひどい人なの!』

男『僕のせいじゃないよ!』

女『じゃぁ誰のせいなのよ?』

男『新しいアンデスビールだよ!』

S『アンデスビール。広い口で新登場。』

本当に愛すべきバカ広告ですね。シザーハンズのジョニー・デップとウィノナ・ライダーの淡い恋を思い出します。監督はアルゼンチンのニコ&マーティンで、今年のブリーフ親父CMを作った人ですね(white-screen情報より)。ここ数年クォリティの高いバカ広告を連発しているアルゼンチンは、国民が広告を楽しんでいる印象がありますね。こういうの作りたいという方、是非Gallianoにご発注ください。

アイデアカテゴリは、『立派な状況の中でくだらない事をする』 、『理由のある狂った行動』、商品の機能性について変わった方法で『説明する』とします。

2010年のカンヌOOH部門でグランプリを取った『Teletransporter』の説明ビデオはこちら。ビデオの完成度高すぎです。こういう賛否両論が起きそうなキャンペーンを作るには、相当な覚悟と論理武装が必要なんだろうなぁ。

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投稿者 galliano : 09:28 AM

November 27, 2011

TVC134 John Lewis / Brand / The Long Wait

ここ数年名作CMを連発しまくってる英国のデパートJohn Lewisが、今年のクリスマスCMを発表しました。泣けます。ガリ保証。ほい、どうぞ。



John Lewisの広告はいつも古典的な構造なんですが、今回も非常にクラシックに仕上がってます。前半にひたすらエモーショナルな引っ張りがあり、最後に裏切りがあり、観客が「そう来たか!」と思った瞬間にタグラインを打ち込んできます。そのタグラインは…

「For gifts you can't wait to give.」
「贈る瞬間が待ち切れないプレゼントのために。」


いやぁ、実に古典的。でもこのCMの全体を覆っている懐かしいクラシック感が、加速度的に新しい事を求められる世の中で、ホッとするようなブランド体験を生み出しています。ちなみにこのブランドのCMは、常にヒューマンで、感動的で、どこかホッとするような仕上がりなんですね。デパートは老若男女すべてが利用するものですから、これで良いのでしょう。 また音楽も素晴らしく、キャスティングは実に入念、演出も非常に丁寧です。あとで紹介しますが、美術も素晴らしいんですね。

CMアイデアカテゴリとしては、CMのラストで「裏切る」、そして少年の行動を家族の皆が"変だな"と思っている点で、「理由のある狂った行動」、ということで。

続いて昨年の秀作CMもご紹介。見たことがある方も多いのでは。



これも名作でした。あ、また泣いてる人がいますね。ハンカチどうぞ。

ところで1分半はテレビとしても長い。きっとこのロングバージョンはキャンペーンローンチ時に少し流し、その後は短縮版に差し替えたのではないでしょうか。さてタグラインは

「Our lifelong commitment to you」
「あなたに、一生の誓約を。」


コミットメントって訳が難しいコトバです。意訳すると「あなたと一生つきあいたい」みたいなコピーになるのでしょうが、良い日本語が見つからないし、ひどいコピーですねw。

最後に、今年のクリスマスCMメイキング映像をどうぞ。
途中に出てくる雪シーンの、美術さんのがんばりが素晴らしい。



さて、今年のクリスマス、皆さんは誰にどんなプレゼントを贈りますか?

▼YoutubeのJohn LewisCMチャンネルはこちら。
John Lewis Youtube Channnel
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投稿者 galliano : 12:31 AM

June 06, 2010

TVC126 Conforama / Brand / Drôles de voisins(おかしな隣人)




フランスのインテリアショップConforamaのTVC。最後に出てくるコピーをガリ訳すると、
Chacun sa cuisine, chacun son style
「さまざまなスタイルのキッチンに」

となります。インテリア商品をウェブ上でレイアウトして注文できるサイトの告知ですね。ビッグアイデアは特に見当たりません。アイデアカテゴリはお父さんの行動について「理由のある狂った行動」と定義し、他「大問題化する」「目撃する」を追加しておきます。


Conforamaはこの「Drôles de voisins〜おかしな隣人」TVCシリーズを複数展開。どれもなかなか出来が良いので続きにご紹介します。ちょっとエロスな所が実におフランス(会社閲覧注意)。




カテゴリに「アダルト」を追加しておきます。
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投稿者 galliano : 10:58 AM

November 15, 2009

TVC120 Guiness / Brand / Bring It To Life


ギネスの新しい広告キャンペーンが、11月4日、イギリスからスタート。彼らが長らく使ってきた「Good Things Come to Those Who Wait(良い事は待っている人の所にやってくる)」が変わりました。新しいラインは「Bring it to life」です。

その事もスゴいんですが、とにかく映像がスゴいんです!


監督はJohnny Green、撮影のために彼が起用したチームはオスカー受賞者達。映画と同じレベルでお金がズンバカ使われたことがわかります。でもイギリス人は日本よりも人口が少ないですよね。なぜそんなに制作費をかけることができるのでしょう?

理由は2つあると思います。

1つはこのキャンペーンが全世界で使用できる事。視聴者が何億人もいるのなら、制作費をその人数で割る場合1人あたりの金額は安くなります。すなわち最終的にはおトクです。

もう1つはメディアの使い方を工夫しているのが間違いない事。どこのクライアントでも当然広告費は限られており、一人あたりのROIだって厳密に計算されているはずです。その中で全体の広告予算を削りながら制作費を増やすにはメディアの効率的な使用法を編み出すしかありません。このキャンペーンでも効率の良いキャンペーンデザインがなされているコトは間違いないと思います。間違いないったら間違いない。

ギネスのマーケティングマネージャー、ポールコーレルはこう語っています。「Bring it to lifeの時代がスタートした事を印象付けるために、ブランドや愛飲者やギネスの一杯の味わいの中に見られる「人生」「エネルギー」そして「情熱」が映像的に表現される、本当にスゴいキャンペーンを作りたかったんです(via Adland)。

消費者に単なるアルコールを飲ませているのではなく、ブランドが持つストーリーを味わってもらう。誰もが心の中に持つエモーションを強く喚起させる。真っ当な広告ブランディングのとらえ方だと思います。ビールが出てこないコトからも、彼らがビールではなくブランドを売っているコトがわかります。

メイキング映像も見つけたのでご覧ください。英語字幕もガリ翻訳しました。




撮影はニュージーランドやカナダやフィジーなど様々なところで行われました。

特殊撮影チームと作業するために、ロケット科学者が起用されました。

フィジーでの水中シーン撮影は3日間でしたが、魚のCGI制作には4ヶ月かかりました。

手縫いで人工芝を作るのに、45人の女性と6日間という時間が必要でした。

氷河のシーンはニュージーランドの標高2600m地点で撮影。

カナダで撮影する前に準備期間として3ヶ月が必要でした。

気温がマイナス30度まで下がったことで、あまりの寒さのため樹木が何本も折れてしまいました。

出演者とクルーを移動させるために5台のヘリコプターと30台の4輪駆動車が必要でした。

車両に保険がかけられない走行路を45㎞進むのに2時間半がかかりました。


ところでこのCM映像には世界アドと書いてあるのですが、日本のギネスサイトには載ってません。何故でしょうね。

CMアイデアカテゴリは「ありえない映像をリアルに作る」「理由のある狂った行動」とします。

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投稿者 galliano : 09:21 AM

May 06, 2008

TVC098 Bangkok Insurance / Company / Plane

ピクチャ 2-3
前回に引き続きタノンチャイ監督の新作CMです。
クライアントはバンコク保険。世界の広告賞ではおなじみの常連シリーズ。
まだYoutubeに上がってないのでリンクを置いておきます。

TVC098 Bangkok Insurance / Company / Plane

このシュールな感じがいいなぁ。

どんなに深刻な状況に陥っても保険に入っていれば安心、というメッセージはどこの保険会社でも言えますが、それを面白くシリーズとして仕立てているのはこのバンコク保険だけですね。

アイデアカテゴリは、大変な状況の中で平然としている所が面白いので、「立派な状況の中でくだらない事をする」、そして「ありえない映像をリアルに作る」、「理由のある狂った行動」の3本とします。

今日はいい天気だなー。秋葉原にジュールシーフの部品でも買いに行くかな。

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投稿者 galliano : 01:52 PM

April 29, 2008

TVC096 Sony / Handycam α Cybershot / Foam City

ソニーのカメラ機器のブランドCM。
機能の事なんて何一つ言ってません。

だから商品なんて売れない、なんて思う人もいるかも知れませんが、
こう考えてみてはどうでしょう。

もしこのCMが詳細なメイキング映像と共にDVDに焼かれて、
騒々しいカメラ売り場の中でオンエアされていたら。

あるいは、大画面テレビ売り場のブラビアで繰り返し再生されていたら。

誰もが「なんじゃこりゃぁぁぁ!」と思って足を止めるのではないでしょうか。
この街の映像には、そんなストッピングパワーがあると思います。

他の何にも似ていないイメージを。

うむむ、コピーも渋い。商品にソニーらしく落ちてる。いいCMだと思います。

アイデアカテゴリは、「ありえない映像をリアルに作る」、「目撃する」、
そして夢のような景色を非常識な形で実現化しているので
「理由のある狂った行動」にも入れておきましょう。

▼メイキング映像の一部。ハイビジョン大画面で見てみたい。
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投稿者 galliano : 11:55 AM

August 27, 2006

The Coke side of life

『グランド・セフト・オート』っていうゲームをご存じですか?え?知らない?マジですか?それは相当ヤバいですよ。

『グランド・セフト・オート(通称GTA)』は2003年にデビューしたゲームソフトの名前。過激なバイオレンス表現により世界中のゲーマーから熱烈な支持を得たのですが、同じ理由にて世界中の青少年保護団体から集中的に糾弾され、日本でも「有害図書類」に指定した県があるというなんともアツいソフトなのです。ちなみに有害図書指定のニュースがきっかけで日本でも大ヒットしました。間違いなく興奮できるソフトだと県が認定したようなもので…(笑)オフィシャルサイトも、もちろん18禁です。【グランド・セフト・オート3 日本公式サイト

その極悪主人公が不可解な行動を起こしています…。下の画像をごらんください!

『コーク的な生き方』というなんとも薄っぺらく聞こえるメッセージが、極悪非道なゲームの世界とペアを組む事でイマという時代に合わせていぶし銀のように輝いています。悪人がコークを飲むと良い人になるというコンセプトはなかなかブラックユーモアが効いているし、他の犯罪映画などと組んでシリーズ化も容易でしょう。また、GTAユーザー達がこのCMについてメールやブログで話題にする事は間違いない。保守的と言われるコカコーラが、とうとうこんな表現で世の中と関係しようとする時代がやってきました。

とはいえ、やっぱりコカコーラサイドは保守的に描かれていて…
図式としては悪vs保守で、最終的には悪は消滅し保守が盛大にパレード。うーん、イマドキなのに世界観はやっぱりコカコーラ(笑)。

ゲーム大国である日本でも、こういうマーケティング手法に意味があるのは間違いない。というか気がつかなかったのが悔しい。さぁ、代理店のみなさん、クライアントのみなさん。この国の広告はまだまだ面白くできるはずです。既にわたくしの脳はスパークし始めてますよ…☆

ゲームユーザーから見れば主人公の行いは『理由のある狂った行動』であり、世界観はGTAからの『引用(する)』ですね。

この映像は『テレビCM崩壊(読書中)』の作者Jaffe Juice氏のサイトから引用しました。

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投稿者 galliano : 01:21 AM

August 20, 2005

TVC065-67 ズジ・コム / ブランド / 「メイド」他2編

20050816.MaidokTVC065:
"Maid"
by M&C Saatchi
for Zuji.com


【CMストーリー065】
トイレ掃除をしているホテルのメイド。
しかし掃除用具として使っていたのは…

TVC066:
"Romance"

【CMストーリー066】
ホテルの部屋で、
だらだらとHビデオを見ている男性。
眠ろうとしてテレビを消すと…

TVC067:
"Mattress"

【CMストーリー067】
ホテルの部屋にチェックインして来た女性。
しかしベッドのマットレスを見ると…

【コピー】

  "CHECK OUT YOUR HOTEL
   BEFORE YOU CHECK IN"

 「チェックインする前に、ホテルについて調べましょう。」

  ZUJI.COM60000のホテルの情報があります。

【CMアイデアカテゴリーと解説】

 理由のある狂った行動+誇張する+裏切る

この夏、仕事もブログも長い夏休みをとって
いくつかのホテルに泊まってきました。

初めてのホテルに泊まる時は不安がつきものです。
清潔なのか、静かなのか、変な匂いがしないか、信頼できるのか…

キューブリックの「シャイニング 」なんて
ホテルを舞台にした恐ろしい映画もありました。

日本でも、昔ラブホテルのベッドの下に
死体が隠されてたなんて事もありましたね。。。。怖っ。

このCMではそういった
一般の人がホテルに感じる怖さを突いています。

それも、見事に、広告賞のセオリーに乗っかって、
下品の一歩手前ギリギリのラインに作られています。

いや、日本のCMの常識から見ると
充分すぎるぐらいの下ネタですか…

あるいはTV用ではなく、シネアドなのかも知れませんね。
マットレス編なんて…子供にはリアルすぎますよ…

ところでこのCMは、今年のカンヌ国際広告祭の期間中に
カンヌのホテルで撮影されたそうです。

ということは…制作はシンガポールのM&C saatchiのようだから…
スタッフみんなでカンヌに行ったついでに撮影してるじゃないですか!

もうそこからしてアイデアですよね…
どこにも一切無駄がありません。
どれもほぼ1カットで終わっていますし。

しかしその1カットに込められた細かい演出が素敵です。
過剰な演技など全くないのに、くっくっくと笑ってしまいます。
キャスティングも素晴らしいですよね。

●必死で便器を掃除しているメイドの表情

●いかにも眠れないという感じのやつれた男性客

●問題ないと主張するボーイの首の動き

などにご注目ください!

【予測されるアドアイデア】

ZUJI.comで調べれば、ひどいホテルに泊まることはない。

"Maid" (30")
"Romance" (30")
"Mattress" (30")



Client: Zuji.com

Agency: M&C Saatchi 
Executive Creative Director: Richard Johnson 
Deputy Creative Director: Simon Jenkins 
Copywriter: Noel Yeo 
Account Manager: Dean Dee 
Agency Producer: Anna Lee 
Art director: Addy Tan 

Post production: Blackmagic Design Singapore 
SoundDesign: AMX Audio Singapore

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投稿者 galliano : 03:40 PM | コメント (0) | トラックバック

July 11, 2005

TVC060 エナジャイザー / e2リチウム / 「日本人の腕」

不明-3TVC060:

"MANO JAPONESA"
by GRUPO GALLEGOS, Long Beach
for ENERGIZER


【CMストーリー】

事故で腕を無くし、日本人の腕を移植した男が手に入れた新しい趣味とは…

【コピー】

(男のナレーション)

「事故で腕を無くしてしまったんだけど、
 日本人の腕を移植できたんだよ。」

「そしたらね、
 写真を撮るのをやめられなくなっちゃった。」

「幸いなことにデジカメ用に

 リチウム電池の「エジャナイザーe2」を見つけたので

 今では以前の7倍の枚数を撮れるんだ。」

「今じゃね、人生が思い出で満ちあふれてるんだよ。」

(ナレーション)

 エジャナイザーe2」リチウム電池。
 デジカメ用としては世界で一案長持ちです。

【CMアイデアカテゴリーと解説】

理由のある狂った行動+意地悪する

なかなか無茶で強引なストーリーのCMで、
笑わせていいただきました。
まだ日本人ってこんなイメージで見られているのですね…!!

ってわたくし思うのですが、
日本にいる海外からの旅行者の皆様も、
カメラをぶら下げて写真撮りまくってますよね。

先日などは、
京都行きの新幹線の中で車内の客を取りまくってる
外人集団に会いました。あれには弱りましたね…

さて、このCMですが
腕を無くすとか移植などの設定を暗く見せないために
ちょっと間抜けな音楽でバランスをとってますね。

今年のカンヌではシルバーを受賞しました。

【予測されるアドアイデア】

e2リチウムは長持ちするので、
周りの人に嫌がられるほど多くの枚数を撮影することができる。

"MANO JAPONESA" (30")
Advertiser: ENERGIZER
Agency:GRUPO GALLEGOS, Long Beach
Production Company: FLIP FILMS, Santa Monica
Country: USA

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投稿者 galliano : 12:07 AM | コメント (0) | トラックバック

June 26, 2005

TVC054 ステラ・アルトワ / ブランド / 「犠牲」

20050623.Stellabench-2TVC054:
"Le Sacrifice"
by Lowe
for Stella Artois

【CMストーリー】

寂れた庭で一本のビールを見つめる4人の男。何かに怯えながら、しかし飲みたいという欲望にかられる4人。突如、一人がひったくるようにビールを飲んでしまう。そして彼は…

【コピー】

ステラアルトワ。間違いなく象です。(※説明は下に)
Stella Artois, Reassuringly Elephants.

【CMアイデアカテゴリーと解説】

理由のある狂った行動+時代を変える+引用する

ビールの高級ブランド、ステラ・アルトワの新作です。しかしこれまでの歴史ドラマとはちょっと雰囲気が違う。何やら不思議な音楽と映像、一度見ただけでは何が起きてるのかさっぱりわからない…過去の作品達とは何かが違う…と思って調べてみると、なんと監督はアワードウィニングディレクターのフランク・バジェン(Sony PS2 "Mountain"の監督)でした。

題名は「犠牲」そのコトバはわかる。しかし最初見た時はなんのこっちゃ、ストーリーも何も、さっぱり意味不明。何度かくりかえして見て、やっと話が飲み込めました…

ステラ・アルトワのCMメッセージはいつも同じ、「間違いなく高くつきます」です。そこから考えると意味がわかってきます。…このCMの中でのステラ・アルトワは、飲むと自分の姿が「何か」に変わってしまうビールなのです。それが「何」に変わってしまうのかは、わからない。どうやら最初には5人の人間がいたようで、初めの男はバイオリンに変身してしまったらしい。次の男は蟻が生まれてくる卵に…そして3人目はダチョウに変わってしまう。そうなることがわかってるのに、自分を犠牲にするほど高くつくのに、飲みたくなるという恐ろしいCMなのですね。どう見ても狂った行動なのですが、理由はわかる。

そんなシュルレアリスムな世界を描くには、シュルレアリスム映画のイメージを引用するのが一番。とフランク・バジェン達は思ったのでしょう、映像は時代を変えて1900年代初頭の無声映画の雰囲気が引用されています。「吸血鬼ノスフェラトゥ」のF.W.ムルナウや「アンダルシアの犬」のルイス・ブニュエルな印象のイメージが炸裂。訳がわからない映像なんだけど、どこかで見た感じ、懐かしい感じに見えるように慎重に仕上げられています。

さらに音楽はクララ・ロックモアのテルミン演奏による、チャイコフスキーの「感傷的なワルツ ヘ短調」ですよ…もうのたうちまわるほどアンダーグラウンドの、どメジャー感覚で作られてます!うーしびれる!完璧すぎる…え?テルミンをご存じでない?では映画「テルミン」も見てらっしゃらないのですね。ここで勉強してきてください〜!

しかし…どうしてここまで視聴者に歴史的な知識が求められる知的な遊びが、広告という世界で可能になっているのでしょう…悔しすぎる…けど負けませんよ!

※:あと最後に一言…コピーの部分、

ステラアルトワ。間違いなく象です。
Stella Artois, Reassuringly Elephants.

は、いつもなら

ステラアルトワ。間違いなく高くつきます。
Stella Artois, Reassuringly Expensive.

のはずです。わざと間違えてますね…
副題にも「シュルレアリストの歴史」と書いてあるぐらいで、
最後までわけがわかりません…もちろん計算ずくで。

【予測されるアドアイデア】

ステラアルトワの価値は、思わず自分の存在を犠牲にしてしまうほど高い。

"Le Sacrifice" (60")
Agency: Lowe
Creatives: George Prest/ Johnny Leathers
Production Company: Gorgeous Enterprises
Director: Frank Budgen
DP: Frank Budgen
Sound Production Company: Andy Humphreys/ 750 MPH
Music: Clara Rockmore/"Valse Sentimentale" by Tchaikovsky

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投稿者 galliano : 11:48 PM | コメント (0) | トラックバック

May 08, 2005

TVC041 チャンネルV / 企業 / 「ダンススペース」

Theg 21585 0045260TTVC041:
"Club V Dancespace"
by The Glue Society - Sydney
for Channel V








【CMストーリー】
シドニーの街を歩く2人の若者。と、突如1人が立ち止まって妙な動きを始める。それはどうもダンスのようだが…いったいどんな異変が彼に起きたのか?

【コピー】

踊るための空間。クラブ『V

【CMアイデアカテゴリーと解説】

理由のある狂った行動+説明する+グルーヴ

ナイトクラブを広告する、という珍しいCMです。いったいこれは、TVで放送されたのか、あるいはシネアドだったのか。まぁそんなことはさておき、とても興味深い表現です。ある空間に入ると、誰もが突然踊り始める。なぜならその空間にだけゴキゲンなダンスミュージックが流れているから。しかし、そこにいない人には音楽も何も聞こえてこないので、踊っている人がとても奇妙に見えます(理由のある狂った行動)。やがて不思議に思った人々が集まってきて、全員が踊り始めます。クラブってこういう空間だよね!と説明しているわけですね。全編を貫くいい感じのグルーヴ感も気持ちいい一作です。

【予測されるアドアイデア】

クラブVという踊るための空間でダンスすることは、とても楽しい。

1クリック毎に元気が出ます!
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"Club V Dancespace" (60")
client : Channel V
agency : The Glue Society - Sydney
Market: Australia
Soundtrack/Song: "Miss You""
year :2005

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