March 02, 2013
TVC152 Galaxy / Galaxy / Moon river
最近ネットで話題の、フルCG製オードリー・ヘプバーンによるチョコレートブランドのCMです。イギリスとアイルランドで放送されてるようですね。しかしまぁ本物が生き返ったかのようなスゴイ完成度。でもこのCMの素敵な所はソレだけじゃないんですね。
まず当たり前のことなんですが、ストーリーが素晴らしいです。
伝えようとしているベネフィットは最後のコピー「なぜシルクが手に入るのに木綿を手にしてるの?(Why have cotton when you can have silk)」ということで、ここでのシルクとはチョコレートの舌触りの事ですね。他のチョコでは得られない、きめ細やかでゴージャスな舌触りを訴求する事が目的なわけです。
そこから生まれたのがこのシチュエーション、『木綿=動かないバス』と『シルク=ショーファードリブンのオープンカー』の対比です。前半のオードリーがチョコを見るだけで食べないのは、『満員でしかも乗客がイライラしているようなバスの社内は、ゴージャスで舌触りの良いGalaxyを食べるシチュエーションとして相応しくない』と考えているからですね。そこにオープンカーの男性が現れ、彼女は『これなら良いシチュエーションになり得る』と思いつくわけです。
かたやオープンカーの男性はバスの中のオードリーを偶然見かけて、一瞬で恋に落ちてしまいます。でもオードリーが欲しているのは、突然現れたカッコいいプレイボーイ風イタリア男とのアバンチュールではなく、Galaxyに似合う、運転手付きオープンカーのお姫様専用席なんです。この二人の想いが全くすれ違う様は、基本的にコメディの形です。観客の「ワハハ」という音声が入っててもおかしくない。
でもそこに流れてくる曲は、オードリーヘップバーンが映画『ティファニーに朝食を』の中で歌った『ムーン・リバー』。作曲は僕も大好きなヘンリ・マンシーニ。恋が始まるようで絶対に始まらないミニコメディを上質なトーンで包み、「ワハハ」な空気感が起きないように抑えこんでいます。男性が恋に落ちる瞬間とオードリーが特等席を見つける、その同じ瞬間に音楽のブレイクを設けてるのが憎い演出ですね。(ミニコメディをクラシックな音楽で上質にまとめる演出手法は、日本でもけっこう見かけます)
全体のアートディレクションもいい。instergramのフィルターのような古いフィルムの質感と色合いが素敵です。
この広告について、オードリーの肖像権を管理している彼女の息子たちはこう言っているそうです。
「母は今回の仕事を誇りに思うでしょう。いつもチョコレートを愛してましたし、食べると元気が湧いてくるって言ってましたから」independentより
こんなPRネタまでちゃんと用意して、このCMの製作チーム、完璧すぎです。どこの代理店かわからないのですが、判明したら追記します。
アイデアカテゴリは、ラブストーリーかと思わせる部分の『裏切る』と、フルCGによる『あり得ない映像をリアルに作る』とします。よくわからん男のクルマに乗るほどGalaxyが好きという事で、『マニアになる』も加えておきましょうかね。
追記1;オードリーの息子達の話はindependentによる取材のようですね。
追記2:代理店はAMV BBDOでした。
追記3:CG製作はLONDONのFramestore。制作裏話はこちら。
▼永遠の名作『ローマの休日』ロイヤルBOX。なんと7割引きだそうですよ。
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投稿者 galliano : 10:13 PM
October 14, 2012
TVC150 Canadianfilmfest / Brand / In The Bank
もうすぐ東京国際映画祭ですね。
近日公開の映画として僕が楽しみなのは、シルク・ドゥ・ソレイユによる3D映画『彼方からの物語』なんですけれども、それはそれとして、今日ご紹介するのは本年度春に開催されたカナダ映画祭のCMです。映画を愛する人々が、その愛のあまり、異常な行動に出てしまいます。
シリーズは全3部作。まずはこの『銀行にて』篇からどうぞ。
【コピー】
あなたのような人々のための映画祭がある。
THERE'S A FILM FESTIVAL FOR PEOPLE LIKE YOU
いいですねー。『彼女は異常で不可解な行動に出た。何故だ。その理由は…』という、
『驚き』と『納得』のパターン。ですね。実に王道で素晴らしい。
ちなみにこういう人種が出勤時に何をしているかというと、こういう行動です。
この手の人種は、エレベーターでも大胆な行動に出ます。
アイデアカテゴリは『理由のある狂った行動』『マニアになる』『無茶する』の3本です。
投稿者 galliano : 01:02 AM
September 28, 2012
TVC144 Midttrafik / Brand / The Bus
先日もバス会社のCMをご紹介したところなのですが、今回も同じくバス会社の広告です。でも前回よりIQは格段に低く、かつ異様なほどスタイリッシュな仕上がりとなっています。というか、なんじゃこりゃぁぁ!
字幕をガリ訳してみました。
ミッドトラフィック社が提供する、『バス』
バスドライバーは超カッコいいぜ。
運転手 「カッコいいだろ?」
椅子もイカしてるぜ。
デカいパノラマウィンドウからは胸にグッとくる景色が見えるぜ。
デザイナーズ降車ボタンはシビれる機能付き。
つり革は無料だぜ。
でかくて、長いぜ。
バス専用レーンもあるぜ。
イェイ!ストリートっぽいぜ。
夜になっても走ってるぜ。
運転手 「まだカッコいいだろ?」
そうなんだよ。バスはカッコいいんだぜ。
だから早く起きて良い席を取るんだ。
ミッドトラフィック社。
お前をドライブしてやるぜ。
デンマークの会社のようですね。馬鹿最高。
アイデアカテゴリは、『マニアになる』『大問題化する』『過剰にする』『説明する』『誇張する』とてんこ盛りです。
投稿者 galliano : 05:49 PM
February 02, 2009
TVC103 Coca Cola / Cola / Heist
いやー、連日仕事でバタバタしてるうちにスーパーボウルが終わっちゃったようです。
というわけで友人のcommercial of the dayさんトコから今年の注目作品をご紹介。
まずはコカコーラ。題名は「強盗」。音楽と演出のシンクロに注目してください。
代理店はW+K、制作と演出はは当ブログでも左下にリンクがあるPsyopです。
アイデアカテゴリは、「ありえない映像をリアルに作る」「マニアになる」
「擬人化する」の3本です!
投稿者 galliano : 11:58 PM | コメント (0)
January 23, 2009
TVC100 Hineken / Heineken / Walk-in Fridge
久しぶりにCMをアップ。ハイネケンの30秒CM。
ターゲットも明確、場面設定に強いレレバンシーもあり、時間と音のデザインも素晴らしい。あると思います(ここ天津木村さんの声で)。
以前からハイネケンが作るCMは、どれもハイクォリティでおっもしろいなーと思っていたのですが、ふと気になってハイネケンの商品構成を企業サイトに見に行ってみました。すると、ハイネケンブランドの商品ラインナップは「ロングネックびん」と「びん」と「缶」と「ドラフトビール」、そして「ダーク」という名のダークビールがあるだけ。すっごく単純な商品構成。
これを170カ国でマーケティングしてるわけですが、国によって中身やパッケージを変える必要もないので、これは効率の良いビジネスですよね。だから制作費もかけられるのでしょうか。
というわけで最近お酒のマーケティングをやってみたいGallianoであります。
アイデアカテゴリとしては、「ありえない映像をリアルに作る」と「マニアになる」ですね。ユーチューブでは同じCMが数本アップされていて、合計の再生回数を見ると300万回を超えてます。なかなかのヒット作ではないでしょうか。
当ブログでご紹介するCMはこれが100本目。ここまで続けられたのも皆様のおかげです。これからもGalliano's TVC Reviewをよろしくお願いいたします。
TITLE: "Walk-in Fridge (Dutch)"
BRAND: Heineken
AGENCY: TBWA\Neboko
投稿者 galliano : 07:30 AM | コメント (0)
December 31, 2007
TVC083 JC Penney / Brand / The Aviator(飛行士)
JCペニー(J. C. Penney Company, Inc.)は、アメリカ合衆国に本社を置く大手デパートメントストアチェーン。(wikipediaより)
いじめられている女の子が主人公の、なんとも感動的な一作。彼女はサンタクロースが北極にいると信じていて、自力で北極探検用の旅行マシンを作り、空に飛び立とうとします。最初は懐疑的だった周りの人間も彼女の行動力に影響されて協力するようになり、やがて打ち上げの日がやって来ます。
ジョンレノンのReal Loveの素晴らしい歌の力もあって(許諾にいくらかかったことでしょう!)、見れば見るほど、涙腺がうるうるします。泣かせようとしてます。もう、ズルいです。これはもう映画と言って良いでしょうね。(何故かファンタジア2000の「ラプソディー イン ブルー」の女の子を思い出しました。あれもうるっと来たんだよなー)
もちろんJC Penneyはただ視聴者を感動させて「感動を生み出す百貨店」などの短絡的なメッセージを送ろうとしているわけではありません。
彼らは物を買う行為を「自分のファンタジーを実現すること」だととらえています。そして彼らはこのCMを通して、顧客のファンタジー実現を手助けをする事がJC Penneyの存在意義だと表明しています。商品は全く出てきませんが、そのメッセージは伝わります。これこそがブランディングです。
なぜその企業が存在しているかの理由を表明し、共感してもらうこと。そのための説得ツールとして、映像はとても力を持ちます。ここではオンエア量は問題とはなりません。企業や製品の根源的な存在理由は必ず顧客や社会の共感を得られるものであるはずだし、それを面白く興味ある形で表現する事が話題にならない訳がありません。アップルの1984を代表とする1回のオンエアで話題を生む広告とは、基本的にそういうものです。
翻って日本では、ブランディングはどう解釈されてるでしょうか。単なる刷り込みの事だと誤解されている事が多いのではないでしょうか。企業の大きなメッセージを感じる広告を、皆さんは最近ご覧になったことがあるでしょうか。
そもそもクライアントの担当者も代理店の担当者も、そして企業の社長さえも、その企業の存在理由について、ブランディングについて、時間をかけて根底の部分から話し合い、堅い合意を交わしたことがあるでしょうか。そうやって生まれた企業の大きなメッセージを興味ある形で伝える事こそがブランディングである、と考えた事があるでしょうか…
…さて長話はこれぐらいにして、このCMをカテゴライズしてみましょう。なかなか難しいところですが、つらい日常を抜け出してサンタクロースに会いに行こうとする彼女は立派なサンタクロースマニアであり、その行動は誰にも止められません。というわけで、「マニアになる」にしようと思います。
投稿者 galliano : 02:58 AM
October 18, 2007
TVC080 Hydro / BRAND / Train 他
「ノルウェーには若いエンジニアがたくさんいます。私達は彼らが成長するのが待ち遠しい。Hydro」
これはすごい!ノルウェーの企業がエンジニアリングの興奮と楽しさを子供達に伝えるために作ったCMです。今年の6月に制作されたCMなのでちょっと情報は古いのですが…。このフィルム、僕は大好きです。まずは放課後の時間帯にMTVと民放でオンエアして子供達にリーチ、そして夜半に再び民放でオンエアして両親にリーチさせたそうで。クライアントのブランディング担当者は「エンジニアはかっこいいんだという事を伝えたかったんです」と言ってます。そうです。エンジニアはかっこいいんですよ。僕の中学校の時の夢はエンジニアになることでしたから…。そういう子供ってこの国では、いまでも「オタク」の一言で女の子から敬遠されてるのでしょうか。それじゃいかんのですよドン!(机を叩く) ところでこの広告的アプローチは日立の「つくろう」キャンペーンに近いと思うのですが、このノルウェーの広告の方が無邪気なエンジニアリング的興奮が伝わりますね。僕もいまでも電子回路を作ってスイッチをオンして動いた時はやっぱり興奮しますからねー。それは広告をあらかじめワークするように設計しておいて、オンエア・掲載という「スイッチ」を押して予定通りの結果が出た時の興奮と似てるかも。
また世界観としてはソニーのラチェット&クランクのCMにも似てますね。CMアイデアカテゴリは「ありえない映像をリアルに作る」「マニアになる」「目撃する」「誇張する」とします。
ちなみに下は上の「トレイン」篇と同時に作られた別バージョン。お父さんの車がえらいことになってます。
Client: Hydro
Title: Train
Agency: DDB, Oslo
Production Company: Motion Blur, Oslo
Director: Roenberg
投稿者 galliano : 01:15 AM
May 05, 2005
TVC039 フォード / マスタング / 「トウモロコシ畑」
TVC038:
"Cornfield"
by JWT Detroit
for Ford Motor Company
【CMストーリー】
「君がそれを成し遂げれば、『彼』はやって来る。」天啓のようなその声に導かれ、自分のトウモロコシ畑の改造に取り組む男。整地用の工事機械を駆使し、競技場を作り始める。地面を舗装し、白線をペイントする。そして完成した競技場は…
【コピー】
2005年型フォードマスタング。伝説は生きている。
【CMアイデアカテゴリーと解説】
ありえない映像をリアルに作る+マニアになる+引用する
僕が車好きなのはよく知られている所なのですが、「車のかっこいい乗りこなし」については、多分に漏れず映画から多大な影響を受けています。『気狂いピエロ』の中で、ジャン・ポール・ベルモントとアンナ・カリーナがそれぞれ青と赤のコンバーチブルに乗ってすれ違いざまに交わすキス、なんて非現実的だけどホント素敵だし、一度やってみたい。もし赤いランボルギーニカウンタックを買うようなことがあれば、『蘇える金狼』の松田優作のように早朝の新宿で手放し運転で信号無視しつつ爆走したい。今ならムルシエラゴですか。
そして、カーチェイスのある映画といえば、『ブリット』抜きには語れません。スティーブ・マックィーン演じる刑事ブリット。殺し屋の乗る1968 年型チャージャーに追われた彼は、時速160キロでサンフランシスコの坂道を疾走する。シャーシを擦ろうがおかまいなく走るその姿にシビれたものです。そのブリット刑事の愛車が、1968年式のフォードマスタング390GT(左写真)なのでした。このCMのコピー「伝説は生きている」は、ただ単にマックィーンを最新の合成テクニックを駆使して出演させたことを示しているだけではなく、この映画を知っている視聴者に対しては、より「深い」意味を伝えています。映画での彼のクールなイメージと、ブリットが愛した車、かつてのマスタングのマッチョなイメージを引用しているわけです。嗚呼、オタクだから書けるこのエントリー。マニア万歳。
ともあれ、この広告のアイデアのベースは刑事『ブリット』の起用であり、トウモロコシ畑をつぶして競技場を作るという映画『フィールド・オブ・ドリームス』の設定の引用は、マックィーンを登場させるための仕掛けでしかない、と言えるでしょう… でもその強引さは、好きですけどね。サーキットを作る男性のマニアっぷりも面白いし。恋人とか出して、「やめて!狂ったの!?」ぐらいは言わせたいところですね。
高校生の時に学校をサボって見に行った『ブリット』。神戸三宮のビッグ映劇でした。関係ないですか。しかし、ちょっとそこの車好きのあなた!『ブリット』見てないってのは許しませんからホント。ちなみにフォードの広告にマックィーンが合成で出演したのはこれが初めてではありません。同じブリット刑事の設定で、車は確かフォード・フォーカスだったかな…に出演してました。海外の雑誌広告で数年前に見ましたよ…(苦笑)
【予測されるアドアイデア】
2005年型フォードマスタングには、
我々が忘れていたかつてのスピリットが
しっかりと生きている。
"Cornfield"
Agency: JWT Detroit
City: Detroit
Advertiser: Ford Motor Company
Brand Name: Ford
Product Name: Mustang
Country of Production: United States
Length: 90 seconds
▼一度見た方がいいですよ、ホントに…
というか今さっき僕も注文しちゃいました!

ブリット
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おすすめ度の平均:
福野 礼一郎 先生激怒する。
寡黙さが渋いねー!
もう二度と作れない超クールな刑事映画
投稿者 galliano : 12:22 AM
March 13, 2005
TVC025 ハイネケン / ブランド / 「音」
TVC025:
"(Title unknown)"
by Publicis NY
for Heineken
【CMストーリー】
とあるバーにて。バーテンダーが手を滑らせて、運んでいたハイネケンの瓶ビールを全て床に落としてしまう。次々とスローモーションで割れていくビール瓶。その重く鈍い音が響き渡る。その音はやがて…
【コピー】
女性「あなた、どうしたの?」
男性「わかんない…でもなんだかとても、悲しい音が…」
女性「…」
スーパー「それが、ビールのすべて。ハイネケン」
「It's all about the beer. Heineken」
【CMアイデアカテゴリーと解説】
マニアになる+大問題化する+存在を消す+繰り返す。
出演している人物は全員ハイネケンマニアという設定です。ハイネケンが飲まれずに瓶が割れて世の中から消え去る時、その悲しみあふれる「音」は彼らの心に響き渡ります。それは彼らにとって大問題。自分が今、するべき事を一瞬忘れて呆然としてしまいます。観客は次第に彼らの商品への深い愛を感じとっていきます。この手の間接的なアプローチは1つのエピソードでは伝わりにくく、繰り返すことが必要になります。よって秒数は長めになり、いくつかの希少な例外を除いて日本ではほとんど試みられることはありません。
【予測されるアドアイデア】
ハイネケンのおいしさは、飲んでいない時でも人の心を平静に保つ。
▼1クリック毎に(来週のプレゼンに向けて)元気が出ます!
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"(Title Unknown)"
agency: Publicis NY
client: Heineken
country : United States
year : 2005
投稿者 galliano : 12:52 PM | コメント (0) | トラックバック
March 05, 2005
TVC020 アディダス / adidas_1 / 知性を持った靴
"(title unknown)"
by 180/TBWA
for Adidas_1
【CMストーリー】
ベッドで眠っている男の元に、どこからかadidas_1が届く。ひとりでに足に装着される靴。男は部屋を飛び出し、街を走り始める。しかしその街はどこかが現実離れしていて、夢のようで…
【コピー】
世界で最初の、知性を持った靴。
IMPOSSIBLE IS NOTING, adidas
【CMアイデアカテゴリーと解説】
あり得ない映像をリアルに作る+マニアになる+なりきる
ここ数年とっても元気になったアディダスの最新CMが到着しました。しかしなかなかアイデアを分析しづらいCMでしたよ…アディダス1っていう名前の、今月デビューするコンピューター搭載?の靴が商品らしく。しかしそれが消費者にどんな利益をもたらしてくれるのか…? ウェブサイトを見ようとしても、香港からだとなぜか中国語のページに飛んでしまい、なかなかわかりませぬ。まぁ広告戦略としては、その機能を紹介することはスポーツ雑誌やウェブなどの読ませる媒体にまかせて、TVでは徹底的にイメージ訴求することにしたのでしょう。うーん、それ以上のことはわかりません。今回の審査でお友達になった日本のTBWAのECD、ジョンさんに聞いてみるかな…
【予測されるアドアイデア】
アディダス_1は、危険に満ちたこの世界で私を安全な方向に導いてくれる。たとえ夢の中であっても。
【アイデアから表現まで】
本日これから香港観光にでかけるので、この欄はお休みします!
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"(title unknown)" (30")
client : adidas
agency : 180/TBWA
country :United States
year :2005
投稿者 galliano : 02:41 PM
TVC020 アディダス / adidas_1 / 知性を持った靴
"(title unknown)"
by 180/TBWA
for Adidas_1
【CMストーリー】
ベッドで眠っている男の元に、どこからかadidas_1が届く。ひとりでに足に装着される靴。男は部屋を飛び出し、街を走り始める。しかしその街はどこかが現実離れしていて、夢のようで…
【コピー】
世界で最初の、知性を持った靴。
IMPOSSIBLE IS NOTING, adidas
【CMアイデアカテゴリーと解説】
あり得ない映像をリアルに作る+マニアになる+なりきる
ここ数年とっても元気になったアディダスの最新CMが到着しました。しかしなかなかアイデアを分析しづらいCMでしたよ…アディダス1っていう名前の、今月デビューするコンピューター搭載?の靴が商品らしく。しかしそれが消費者にどんな利益をもたらしてくれるのか…? ウェブサイトを見ようとしても、香港からだとなぜか中国語のページに飛んでしまい、なかなかわかりませぬ。まぁ広告戦略としては、その機能を紹介することはスポーツ雑誌やウェブなどの読ませる媒体にまかせて、TVでは徹底的にイメージ訴求することにしたのでしょう。うーん、それ以上のことはわかりません。今回の審査でお友達になった日本のTBWAのECD、ジョンさんに聞いてみるかな…
【予測されるアドアイデア】
アディダス_1は、危険に満ちたこの世界で私を安全な方向に導いてくれる。たとえ夢の中であっても。
【アイデアから表現まで】
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country :United States
year :2005
投稿者 galliano : 02:41 PM
March 03, 2005
TVC018 スパイシーRV in tabasco.com
TVC018:
"ROCKIN’ RV"
for TABASCO, McIlhenny Co.
("XX" for Adults Only!)
【CMストーリー】
夏の夜、静かに寝静まったオートキャンプ場で、何やらギシギシと音がする。見ると、一台のキャンパーが規則正しく揺れている。カメラが近づくと、さらに揺れが激しくなってきて…これはたぶん…いやまさか…やがてドアがスッと開くと中では…
【コピー】
NOW THERE'S A TABASCO YOU'LL WANT TO POUR ON
SMOKED FLAVOR, TABASCO STYLE. tabasco.com
【CMアイデアカテゴリーと解説】
マニアになる+誇張する+裏切る
タバスコCM第3弾は、いったいこれは本当にオンエアされたのかと首をかしげるぐらいの過激なCMです。っていってもわりとよくある手だとは思うのですが…この音声とこの映像につられて、くやしいけど30秒間CMから目が離せませんでしたよ…。
演出+撮影技術的にひとつ注目した所があります。それは揺れるキャンパーにカメラが寄っていって、そのまま車内まで入っていく所ですね。ここを1カットで見せているのは監督のこだわりだと思います。日本のCMではあまり見ることがないカメラワークです。カットを割っていないから、見てる人が集中して「え、え、え、中で何が起きてるの?」と思い続けることができます。たぶんこの1カットは技術的にけっこう大変だったんじゃないかと…でも映画ではよくあるカメラワークなので、DOP(ディレクターオブフォトグラフィー〜カメラマンのこと)としては朝飯前だったのかも。
【予測されるアドアイデア】
スモークドフレーバータバスコはとても美味なので、
食べ物に繰り返しかけたくなる。
1:スモークドフレーバータバスコは
とても美味なので食べ物に繰り返しかけたくなる。
2:タバスコマニアの恋人達なら、共同で一心不乱にかけ続けるだろう。(マニアになる)
3:2人の動きがシンクロしたら、家も揺れるに違いない。(誇張する)
4:揺れを大きく自然に見せるには、家よりもキャンパーの方がいい。
5:キャンパーが揺れていたら、視聴者は別の想像をするに違いない。(裏切る)
これを例によって5から逆に描けば、このCMのできあがり。
タバスコCM特集は、次回で最終回ですよ!
他にも新作情報が続々集まってます!
ではあと30分で、メディアアワードmedia award、お楽しみのTV審査が始まりますので
またのちほど…
▼1クリック毎に香港まで元気が届きます!
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”rockin' RV" (30")
client : McIlhenny Co.
agency : unknown
country :United States
year : unknown
投稿者 galliano : 10:00 AM | コメント (3) | トラックバック
February 20, 2005
アンホイザー・ブッシュ / バド・ライト / 「スカイダイバー」
TVC006:
"Skydiver" by DDB Chicago
for Anheuser-Busch
【CMストーリー】
上空を飛ぶ飛行機の中で、二人の乗客がスカイダイビングにトライしようとしている。緊迫した雰囲気の中で、インストラクターが大声で叫ぶ。「準備いいか!?」「うぉーっ!!」一人目が意を決して勢いよく空に飛び込む。そして二人目。「準備いいか!?」「やっぱできない!」「行け!」「無理だ!」 困ったインストラクターがそこで行った行動とは…
【CMアイデアカテゴリーと解説】
意外な利用方法+マニアになる+裏切る
皆さんはアメリカの「スーパーボウル」というイベントをご存じでしょうか。アメリカのプロアメリカンフットボールリーグであるNFLのチャンピオンチームを決める一戦で、今年は2月7日に開催されました。結果はzigzagさんのブログをご覧いただくとして…。
テレビの視聴率が毎年40%を越え、視聴者数では約1億3千万人以上と全米で絶大な人気を誇るこのスポーツイベント、ここで流れるCMも毎年大変なことになっています。30秒スポットを1回流すだけで、お値段今年は240万ドル、2億4千万円強ですよ!そこにはいろんなクライアントの威信をかけたCMが毎年流れるわけで、たとえばアップルのCM「1984」は1984年のスーパーボウルで放送されました。言うなればアメリカCMの檜舞台、数多くのカンヌ入賞作品もここから生まれました。
今日からしばらく、2月7日のスーパーボウルで流れたCMをご紹介していきます。
ちなみにこのイベントでは毎年Ad-Meterと呼ばれる視聴者調査が行われ、どのCMが一番印象的だったかというスコアリングが行われます。その2005年度の栄えある1位をとったのがこのCMです!
気持ちよくスカッと抜けたCMです。バドライトという成熟したブランドの商品なので、ここで描かれているのは味がどうおいしい、ということなどではなく、「バドライトが欲しい!」という強い欲望です。バドを追って飛び降りろ!と叫ぶと操縦士があわててそれを追って飛び降りる所がスピーディーで快感ですね。って、操縦士パラシュートつけてないし…
登場人物が全員アホすぎて、ホントこういうCM大好きです。一人目が落下する直前に見せる表情も最高ですね。
てなわけで、バドワイザーはスーパーボウルCMの常連です。毎年アメリカらしい表現で何本もオンエアしています。今年は5種類ぐらいあったから…それだけで最低10億以上の媒体料。でかすぎますよ話が。のけぞり。
【アイデアから表現まで】
アドアイデアは
「バドライトのうまさは、
重要な仕事を放り投げてしまうほどだ。」
でしょうか。
放り投げられる仕事が重要であればあるほど、
バドのうまさ、魅力が拡大されるわけですね。
アイデアから表現までの流れを想像してみます。
1:バドライトのうまさは、
とても重要な仕事を放り投げてしまうほどだ。(マニアになる)
2:世の中で重要な仕事といえば、飛行機の操縦士だ。
3:彼の近くにバドライトがあって、それが何かの拍子に飛行機から落ちて、
それを追って彼が飛び降りると、残された乗客は大変だ。
4:バドライトを落とすには、スカイダイビング中の出来事にして
なかなか降下しない客のために落下させればいい。(意外な利用方法)
5:ラストを印象的にするために、
操縦士の存在は最初はほとんど見せない。(裏切る)
これを毎度のごとく、5から逆に描いていけば、このスカイダイバー篇が完成します。
カメラワークも歯切れが良いし、音楽もいい。不要な説明がなく、誰でも即座に理解できる。
文句なく面白い。CMのひとつの理想型ですね。
今年のカンヌで賞を獲れると思います。
てかこんなブログ始めちゃうとカンヌに行かなくても
たいていの面白い海外CMに出会えちゃうような気が…☆
でもいいんです。今年行く予定ないんで。
日本からのカンヌ審査員レースに落ちましたから(涙)!!
ところで一度スカイダイビングってやってみたいんですよ。
あとバンジーも…なんとなく早く体験しないと手遅れになるような気が(笑)。
"Skydiver" (30")
client : Anheuser-Busch
agency : DDB Chicago
director: Joe Pytka
country :United States
year :2005
売り上げランキング: 757
通常24時間以内に発送
投稿者 galliano : 05:45 PM | コメント (0) | トラックバック
February 17, 2005
リーバ / リンクス24-7 / 「服を着ていく」 / 他2本
TVC004:
"GETTING DRESSED"
by BARTLE BOGLE HEGARTY UK
for LEVER FABERG
【CMストーリー】
ベッドの上で目覚める男女のカップル。2人ともどこか気恥ずかしそう。ベッドのまわりに落ちている下着を手に取り、身につけ始める。階段にまで散乱している下着達が、昨夜の2人の情熱の激しさを物語っている。
次々と散らかった服を着ていく2人。玄関の門にまで服が引っかかっている。落ちている服を拾いつつ、着ていきつつ、とうとう下着姿で街に出てしまう2人。歩道の上、ハイウェイの上、線路の近く、街中の信号に引っかかっていた服はクルマの通行を止めていて… スーパーマーケットの中に入っていく2人。野菜の棚にまで靴などが散乱している。そして最後に視界に入ってきたのは…昨夜から放置されていた2つの買い物用カート。すべての衣服をやっと身につけた2人は、少しの間、優しい視線を交わしつつ、連絡先も交換しないまま、お互い別方向に歩み始める。
コピー「だっていつそれが起きるのかわからないから。リンクスの香りは24時間有効です。」
【CMアイデアカテゴリーと解説】
出会う・別れる+マニアになる+隠す+アダルト
わたくしの大好きなユニリーバのAxeのCMです。国によってアックスAXEという名前だったり、リンクスLYNXと呼ばれたりするこの香水が最初にローンチ(デビュー)したのは1983年、以来20年以上にわたり、いまでは約60ヶ国で香水のトップブランドとして知られています。僕が最初にこの商品のCMを見たのは2002年のカンヌ広告祭の会場でした。そのCMは「Love in the air」。授賞式でのこの作品の上映に観客から自然に起きた手拍子がまだ耳に残っています。テンポのいい表現に、ノリのいい音楽。このCM一本でわたくしはaxeのファンになってしまったのでした。まだ買ったことはないけれど…
そしてそのaxeが、表現もぐっと大人になって2004年のカンヌに帰ってきた! 見事金賞を受賞しました。一度見たら忘れられない、なんとも情感が良い感じにあふれつつも新鮮な表現と構造になっている。Love in the airに負けず劣らす、今回のCMも僕は好きです。毎回内容が大人、「アダルト」向けだからだってのもありますが…(笑)
【アイデアから表現まで】
アドアイデアは
『リンクスをつけていると、またたく間に若い女性にモテてしまう。』
ですね。
この商品の他のシリーズでは、ここに「香り(威力)長持ち」という商品メッセージが追加されることもあります。しかし今回のCMでは長持ちという点はストーリーではあまり重視されていないように見えます。その分コピーで「香り長持ち」というメッセージを強調するように作られていますね。
ところで僕が何故このシリーズを好きかというと、人間の根元的な「欲望」が描かれているからだと思います。人の「欲望」と強くリンクする広告は強い。というか「欲望」とリンクしない広告は、表現が面白くなっても人の気持ちになかなかアクセスできないため、心に残らないことが多いと思います。
そしてこのCMで刺激されるのは、「美女と、出会ったとたんに惚れられて即Hしたい」という男性誰しもが持っている恐しく即物的な「欲望」です。ほとんど出会い系サイトのメッセージレベルですね(笑)
ふと「欲望」は広告の母、なんてコトバが浮かびましたよ…
とはいえ、その即物的な欲望を、そのまま描くわけにはいきません。何故ならあまりにもダイレクトな欲望のため、単なるエロ刺激CMになってしまうからです。
そこで今回のユニリーバの制作者達は、事実を逆回転するかのように行動を追っていくCMを作りました。それはまるで映画「メメント」にみられるような、ちょっとしたパズルのような知的なアプローチ。でもアタマをそんなに使わなくても理解できる仕上がりになっています。
さて、アイデアから表現への流れは、こんな感じでしょうか。
1:『リンクスをつけていると、またたく間に若い女性にモテてしまう。』
2:それはいついかなる時でも、
たとえば…スーパーマーケットでも始まってしまう。
3:それは間違いなく、情熱的な出会いになる。(アダルト)
4:どれぐらい情熱的かというと、そのままスーパーでお互いが服を脱がし始め、
家に向かって歩きながら最後には路上で下着姿になってしまうほどである。
(マニアになる)
5:すなわち街中に服を脱ぎ散らかしている。(過剰にする)
6:一夜があけた朝、彼らは服を着るために昨日の行動を逆にたどることになる。
(隠す)
以上のように、全体のストーリーを組み上げてから
6から逆に描いて行くとこのCM表現が完成します。
唄はオズの魔法使いから、「虹のかなたに」。
ちなみにこのCMは90秒、かなり長いです。上でご紹介した2002年のLove in the airは40秒ですが、テンポがいいからか「香りが以前より持続する」という内容を加えたメッセージをしっかりと「誇張して」伝えることに成功しています。
ではここで、20秒でこのアドアイデア、『リンクスをつけていると、またたく間に若い女性にモテてしまう。』はどこまで伝えられるか、一つの結果をご覧いただきましょう。それはメキシコのaxeの広告です。CMはこちら。
いかがでしたか?上手ですよね。しかしこんなに単純なストーリーでも、描くのに20秒かかっているのです。このアドアイデアよりも遙かに複雑なCMメッセージを15秒に詰め込む仕事をしている僕らっていったい…いえいえ、それはそれで工夫する日々ですよ…☆ というかブリーフを鵜呑みにせず、その複雑なメッセージは15秒ではとてもじゃないけど伝わらないから、こういうメッセージ、アドアイデアにしましょう、とクライアントを説得し、面白いアイデアが生まれる土壌を作り出す事こそが、クリエーティブディレクターの大事な仕事で…話がそれましたね。そういう話はまた別の機会に。
しかしaxeファンとして、商品を持ってないのはまずい。マジメに買いたいです。いずれ海外でゲットしてきますよ…(笑)
"GETTING DRESSED"
client : LEVER FABERG
agency : BARTLE BOGLE HEGARTY UK
director: Rosie Arnold
country :UK
year :2003

モテる技術
posted with amazlet at 05.02.23
デイビッド コープランド ロン ルイス David Copeland Ron Louis 大沢 章子
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投稿者 galliano : 05:05 AM | コメント (2)
February 16, 2005
TVC003 ソニー / ラチェット&クランク / 「トラクタービーム」
TVC003:
"Tractor Beam"
by TBWA\Chiat\Day Los Angeles
for Sony
【CMストーリー】
何やら広場で機械を操作している若者達。ビデオで記録している若者の声が聞こえる。「『ラチェット&クランク ゴーイングコマンド』のトラクタービームをテストしてます。」若者の一人が空き缶を投げる。弧を描いてトラクタービームに吸着される空き缶。「お〜うまくいったじゃん!」…と、何やら轟音と叫び声が聞こえてきて…
見ると、広場の向こうから金属製のゴミ箱にバーベキュースタンド、そしてキャンピングカー(エアストリーム)まで吸着されようとして砂埃を上げて迫ってくるではないか!唖然とする若者達。「スイッチ切れ!切れ!」あわてて機械を停止させて…止まらない、まだ止まらない、やっと止まった…。なんて強力なビームなんだ…。ナレーション「トラクタービーム。この世界の、15の装備の中のひとつ。」『ラチェット&クランク ゴーイングコマンド』
コピー「生きるのは君の世界で。遊ぶのはこっちの世界で。 プレイステーション2」
※すべてgalliano適当訳
【CMアイデアカテゴリーと解説】
ありえない映像をリアルに作る+誇張する
+マニアになる
昨日に引き続き、プレイステーション2のCMです。こちらはアメリカからのエントリーで、プレステのブランド広告ではなく、『ラチェット&クランク』というプレステ用ゲームの広告です。
わたくしが最初見た時の印象は、「この映像はどうやって撮影・合成してるんだろう…?」でした。転がってくる物体は全部CGである、と考えれば楽なのですが、それにしてはリアル。しかし実際にエアストリームをころがして撮影した?それは撮影現場としては危険すぎるような… いろいろ検索してみたのですが答えはまだ見つかっていません。TBWAの人にお聞きしたいぐらいですよ…
TBWAといえば世界の賞で常連のエージェンシー。彼らが持っているグローバルアカウントはAbsolut, adidas, Apple, Beiersdorf, Hagen-Dazs, Masterfoods, McDonald, Nissan そして Sony PlayStationなど、大きなクライアントが目白押し。「マウンテン」もロンドンのTBWAだし、うーむ負けてられませんよ…☆
【アイデアから表現まで】
アドアイデアは
『ラチェット&クランクをプレイすると、トラクタービームの威力を試したくなる。』
だと思います。
ゲームをプレイしたことで、自分でもトラクタービームを作りたくなった「マニアになった」若者達。CMはその機械が完成した後、初めてテストするところから始まります。撮影しているビデオは、そのテストを記録しているという設定。だからカメラワークもわざと素人っぽく撮っています。投げた空き缶が戻ってくる。ここから観客は、この機械すごいな…実在するのだろうかと思い始めます「ありえない映像をリアルに作る」。テストは成功!見てる側も、ほぉ、これは合成なのか実在するのか…と気持ちが揺れているそのスキに、「誇張された」大事件が起きます。何度見ても、どういう風に作られたのかわかりません。プロとしてどうよ…と自問自答するぐらいの完成度だと思います。ありえない映像は、やっぱりお金をかけて、プロが見てもリアルに作らないと説得力を獲得できないんだなぁ、と再確認した仕事ですね。予算も聞きたいですよ…
ところで、アドアイデアはこれからも「欲望」を感じさせるような記述を心がけたいと思います。「欲望」を刺激する、それがCMの原点であり、全てだと思います。このCMの場合は、「どーしてもビームを現実化して試してみたくなる!」という「欲望」がCMを最後まで見せる原動力になっていますね。
「映像はすごすぎて、きっと合成だろうけど、この若者達が持つ「欲望」はわかるなぁ」
このCMはターゲットであるゲーム好きな人を、そう頷かせる力があると思います。
カンヌではショートリスト(=ファイナリスト)止まりだったようですが…
僕は大好きです、このCM。
"Tractor Beam"
client : Sony Playstation
agency : TBWA\Chiat\Day Los Angeles
director: Jonathan Dayton, Valerie Faris
country :United States
year :2003
84th Art Directors Annual Awards, 2004 (Gold)
International Andy Awards, 2004 (Silver)
CLIO Awards, 2004 (Gold)
The One Show, 2004 (Gold)
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投稿者 galliano : 06:20 AM