February 05, 2009
TVC104 Pedigree / Pedigree / Crazy Pets
103に引き続き、SuperBowl2009からご紹介するのはペディグリーのCM。
今日ウチのマネジメント間でウケてました。
もちろん企画は面白いし、フィルムの完成度も素晴らしいのですが、
誰が偉いって、下のタグラインをクライアントに通した人が一番偉いっす。
Maybe you should get a dog.
今ブランドとしてこれを言うべきだって説得するには相当な力が必要だと思いますよ。
たぶんTBWA\Chiat\Dayのプランニングが一番偉いんじゃなかろか。拍手を送ります。
アイデアカテゴリは、「ありえない映像をリアルに作る」「存在を消す」「間違う」とします。
TITLE: "Crazy Pets"
BRAND: Pedigree
AGENCY: TBWA\Chiat\Day Los Angeles
投稿者 galliano : 12:10 AM | コメント (0)
March 29, 2005
TVC036 コカコーラ / スプライト / 「テント」
TVC036:
"Tent"
by Lowe
for Coca-Cola Company
【CMストーリー】
野外音楽フェスティバルの翌日、早朝のテント村にて。あるカップルがテントの中で眠っている。喉の渇きで目覚めた男性は、テントから手を出してリュックの中の飲み物を探している。しかし中から出てきたのは…
【コピー】
Na)「スプライト」は喉の渇きを癒すソフトドリンクですが、
女性)デイブ、スプライトちょうだい。
Na)「小鬼」でもあるのです。
この「スプライト」は音楽フェスティバルを
さわやかにすることもありませんし、
和音は一つしか知りません。
Na)自分の乾きに従おう
Na)手に入れよう、正しいスプライト。
As well as being a thirst-quenching soft drink,
"Pass a Sprite, Dave."
a sprite is also a sort of goblin.
This sprite's not so refreshing at a festival,
and it only knows one chord.
Obey your thirst.
Get the right Sprite.
【CMアイデアカテゴリーと解説】
存在を消す+間違う
いやーこのCMは、何度見ても意味がわかりませんでした。
そして帰国子女のうららさんに助けを求めて、やっと理解しました。
まずは、spriteっていうコトバの意味を知らなくてはいけません。
ちなみにその意味は…
sprite: 妖精,小妖精. 小鬼
なのですね。いやーこれは知らなかった。
そうやって見ると、このデイブは「スプライト」を取ろうとして
間違った「スプライト」を手にしてしまった、ということがわかります。
商品の存在がどこかに消えてしまって、その替わりに出てきた小鬼。
しかも音楽下手。そりゃ怒られますよね!
見所はもちろん小鬼の微妙なキモカワ度ですが、
一瞬だけ写る朝のテント村の景色も絶妙です。
行き倒れ状態の男性の足とか、うろうろする犬。
早起きして掃除している人、まぶしい朝の光。
そして散乱しているゴミ達。
そんな音楽フェスティバルの翌朝の雰囲気を
2秒で見せています。うーん、テクニシャンですね!
スプライトのHPを発見。なにやら妙なキャンペーンを始めてます。
スプライトのHP
"Tent"
Agency: Lowe
City: London
Advertiser: Coca-Cola Company
Brand Name: Sprite
Market: United Kingdom
Length: 30 seconds
投稿者 galliano : 12:41 PM | コメント (0) | トラックバック
February 25, 2005
アメリクエスト抵当会社 / 企業 / 「どっきりディナー」
TVC010:
"Surprise Dinner"
by DDB Los Angeles
for Ameriquest Mortgage Company
【CMストーリー】
仕事を終えて帰宅したサラリーマン風の男。出迎えに来た猫に挨拶した後、
いそいそとテーブルを何やらロマンティックな雰囲気にセッティング。
夕食の用意としてパンを切ったりしている時…
猫がスパゲッティトマトソースを床にぶちまけてしまった!
ああ、床が真っ赤に!そこに妻が帰って来て…
【コピー】
早すぎる判断は禁物です。私達は違います。
「アメリクェスト抵当会社は、誇りを持ってNFLを応援します。」
【CMアイデアカテゴリーと解説】
置き換える・例える+思いこませる+間違う
昨日に引き続き、アメリクエスト抵当会社のCM、TVC009の別バージョンです。「早すぎた判断によって引き起こされた、とりかえしのつかないひどい事件」を、旦那が猫を殺してしまった、と妻が間違って思いこむストーリーに仕上げています。Ad Meterでは009には及びませんが、堂々の8位です。この2本のオンエアに5億以上かけたこの会社は、充分モトをとったと言える…でしょう…たぶん(笑)
こちらのCMも全体がうまく構成されています。まずCMが始まってから4秒後にはストーリーの中心となる猫が出てきてます。そしてさも自然な風を装いつつ、カメラは猫の動きを追っていきます。前半に猫の存在を感じさせた後は、カメラは男の行動や性格を描いていきます。テーブルに花、料理の用意などのシーンで、彼が几帳面で、かつこの日が特別な日であることを感じさせています。
さて視聴者に対する罠は揃いました。猫、赤いスパゲティソース、ナイフ。そこで猫が事件を起こし、最後の男のポーズに至るまでがたたみ掛けるように進行します。
それはまるで、前半がジェットコースターのコースを登るようなゆっくりした展開で、後半が一気に落下していくような感覚といえるでしょう。よくできたサスペンスのセオリーですね。
ところで僕も猫が出演するCMを手がけたことがあります。だからわかるのですが、サラッとスマートに作られた印象のあるこのCM、さぞ裏は大変だったと思われます。猫がソースパンを倒すところなんて、1回2回で成功したとは思えない(笑)僕の場合、1日にホント3カットしか撮れない日もあったんですから… あの時の猫たちも、このCMの猫も、お疲れ様!
以下は昨日と同じ内容となっています。
【予測されるアドアイデア】
アメリクェストじゃないと、判断を急ぎすぎて、顧客に不利な結論を出してしまう。
【アイデアから表現まで】
1: アメリクェストは顧客のためにじっくり審査する。
2: 他の会社は早い審査・判断で、顧客に不利な結論を出してしまう。
3: 普段から人は、早すぎる判断を下されて、ひどい目に会うことがある。
(置き換える・例える)
4: その早すぎる判断は、見間違い、誤解から生じると面白い。(間違う)
5: 不利な結論が出るのが当然に見える自然なストーリーを考える。
登場人物に(思いこませる)
【追記】
ええと、この「どっきりディナー」
昨年のアドフェストで受賞したタイのCMと内容がほぼ同一ですね。
"Surprise Dinner" (30")
client : Ameriquest Mortgage Company
agency : DDB Los Angeles
director: Craig Gillespie
country :United States
year :2005
Dear,こげんた―この子猫を知っていますか?
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投稿者 galliano : 03:47 AM | コメント (0) | トラックバック
February 24, 2005
アメリクエスト抵当会社 / 企業 / 「強盗」
TVC009:
"Robbery"
by DDB Los Angeles
for Ameriquest Mortgage Company
【CMストーリー】
街道沿いの雑貨屋に男が入っていく。彼はハンズフリーのイヤホンマイクで電話しながらレジへ向かう。電話の向こうでは、何やら問題が起きているらしい。男はマイクに向かって言う。「……強盗だぜ。聞いてんの?強盗なんだよ!」…。しかしそれを自分へのメッセージだと受け取った店主は思わず…
【コピー】
早すぎる判断は禁物です。私達は違います。
「開かれた機会を提供する会社、アメリクェスト抵当会社」
【CMアイデアカテゴリーと解説】
置き換える・例える+思いこませる+間違う
お待たせしました。TVC007から引き続き、今年のスーパーボウルからの1作です。このCMはAd Meterの調査で、TVC006に続いて2位という輝かしい成績を残しました!
このCMもすごくセオリーに忠実ですね。誤解が元となって発生した雑貨屋での一事件。やがて視聴者の心の中に、あ、えらいことが起きた。何故…これは何!?という疑問が起きた瞬間、「早すぎる判断は禁物です…」という一連のコピーが出てきて、全体の謎が解明されます。
企画はたぶん以下のように進行したと思います。まずはこの一連のコピーが最初にあって、あとは「早すぎた判断によって引き起こされた、とりかえしのつかないひどい事件」を山ほど考えて、その中から30秒、実際は最後にコトバが入るので25秒ぐらいで描写できて、いちばん面白く演出できる事件を選べばいいわけです。
主人公の男性は見事に、まるであり地獄に落ちるようにストーリーの罠にはまっていきます。見ていて、構造がとてもキレイです。細い穴に砂がサラサラと落ちていく砂時計みたいに、正確にラストがやってきます。
この会社「Ameriquest Mortgage」はどうやらローン会社のようです。お金を貸す時に、カスタマーの要望にできるだけ合わせるようじっくり審査します、ということが言いたいようで。(追記:それだけアメリカのローン会社は審査が厳しいらしく〜かっきーさん情報提供による〜。きっと広告と視聴者の間に「たいていのローンは即座に断られるものだ」という事前の了解があるのでしょう。このへんはお国の事情が出ますね。)
【予測されるアドアイデア】
アメリクェストじゃないと、判断を急ぎすぎて、顧客に不利な結論を出してしまう。
【アイデアから表現まで】
1:アメリクェストは顧客のためにじっくり審査する。
2:他の会社は早い審査・判断で、顧客に不利な結論を出してしまう。
3:普段から人は、早すぎる判断を下されて、ひどい目に会うことがある。
(置き換える・例える)
4:その早すぎる判断は、見間違い、誤解から生じると面白い。(間違う)
5:不利な結論が出るのが当然に見える自然なストーリーを考える。
登場人物に(思いこませる)
なーんてサラッと書いてますが、その4や5を考えるのがすごく大変なんですよ!
でも同時にそこがいちばん面白いんですけどね。この仕事。シンド&ナンギー(毒)
このアメリクェスト、もう1本作ってますので、次回ご紹介いたします。
って、その2本流して、スーパーボウルの放送料5億円ですよ…恐るべし。
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"Robbery" (30")
client : Ameriquest Mortgage Company
agency : DDB Los Angeles
director: Craig Gillespie
country :United States
year :2005
▼海外CMで描かれる人生も、実際の人生も、たいていブラック&ビターですよ…(笑)
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