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March 21, 2013
フランス製のSFショートフィルム達
Vimeoでフランス製の新しいSFショートフィルムを見つけたのでご紹介。タイトルは『ロスト・メモリーズ』。デジタル世界での「記憶」がコンセプト。舞台は2020年のパリですが、現代のデジタル技術至上主義に対する批評精神を感じます。ではドゾ。
LOST MEMORIES (French, English Subtitles) from Francois Ferracci on Vimeo.
さてフランス製のSFショートフィルムといえば「ラ・ジュテ」をご存知でしょうか。1962年(51年前!)の製作で、ほとんどのショットがスチールのモノクロ写真という特異な作品。映画『12モンキーズ』の元コンセプトになったことでよく知られています。テーマは「記憶」と「時間旅行」。舞台は核戦争後の未来。話がちょっと複雑なので、見る前にwikipediaで予習することをオススメします。ちょっととっつきにくいですが、SFのセンス・オブ・ワンダーが詰まった名作です。
iOSの方はこちらから再生すると英語字幕付きで鑑賞できます。
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[blog][SHORTFILMS]
wrote by galliano : 01:43 AM
March 10, 2013
『デザインあ』展に行ってきました。
twitterのタイムラインでも大人気。21_21 DESIGN SIGHTで開催中の『デザインあ展』に行ってきました。
21_21 DESIGN SIGHTでは、2013年2月より、「デザインあ展」を開催いたします。NHK Eテレで放送中の教育番組「デザインあ」を、展覧会というかたちに発展させた企画です。
展覧会のテーマは、「デザインマインド」。日々の生活や行動をするうえで欠かせないのが、洞察力や創造力とともに、無意識的に物事の適正を判断する身体能力です。ここでは、この両面について育まれる能力を「デザインマインド」と呼ぶことにいたします。(展覧会サイトより)
会場内は撮影が可能でした。では展示のいくつかをご紹介しましょう。
『お寿司の解散』なんですかこれはいきなり。
そのアップ。パーツに分解されたお寿司がアクリルの厚い板に封じ込まれています。ちょっと倉俣史朗さんのミス・ブランチっぽいけど面白い。
これがミス・ブランチです。ご参考までに。
『ちょうどいい』ちょうどいいサイズのお寿司はどれでしょう。
『つみき寿司』木で作られたお寿司たち。子どもたちに大人気でした。海苔は黒ゴム。へい!らっしゃい!
『しょうゆをさす』醤油差しの醤油を差す瞬間が時系列に展示されてます。これはその一部。なぜか寿司関連の展示が多かったですね。
『こすってみコイン』世界中から集められた100種類のコインを紙のお財布にこすり取ります。北朝鮮のコインはかなり貴重。日本で両替してもらえるのか。
『音めがね』白く光るディスプレイを特殊な虫眼鏡でのぞいてみると、何かが見えてきます。
とある押しボタンにも『あ』が隠れてました。
展示は全部で35種類。大人も子供も楽しめます。百聞は一見にしかず。皆さんもその目と手でぜひ体験してみては。
『デザインあ展』6月2日まで
近くで「テクネ 映像の教室」展(3月末まで)も開催中です。
コーネリアスの音楽が素晴らしいんですよねぇ。
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[blog]
wrote by galliano : 02:18 PM
『コピーライターに訊け!』に出演中です②
第一回に引き続き、東京コピーライターズクラブがお送りしているポッドキャスト放送に出演中です。いろいろ自分の事を語っています。第二回は関西時代の話から。ああ恥ずかしい。
『「面白くない!」と言われ続けた20代。しかし大阪の血は受け継がれた。そして外資へ。』
以下は東京コピーライターズクラブFacebookページからの転載です。
【コピーライターに訊け! 第32回★阿部光史篇②】
今回のテーマは、
『ベタベタの大阪から、スマートな外資へ』。
ベタベタの大阪の血が、外資の広告会社へ。
そこでは、いったいどんな化学反応が起きたのでしょうか!?
番組視聴はこちらから↓
★iTunesで聴く
https://itunes.apple.com/jp/podcast/kopiraitani-xunke!/id568567342
★PCで聴く
http://podcast.kiqtas.jp/tcc/
下はiTunesページからの転載です。
言葉のチカラで人を振り向かせ、自由自在にモノの魅力を伝えていくコピーライターたち。 彼らが世の中をどう見つめ、何を考えているのか。コピーはどこまで可能性を秘めているのか、そして、これからコピーを仕事に生きていくにはどんな力が必要なのか。 「コピーライターに訊け」では、毎回、日本を代表するコピーライターの集まりである 東京コピーライターズクラブの会員を招き、様々な角度で彼らの考えを聞き出していきます。 コピーライターならではの発想にどうぞご期待ください。
ほんっとに全然そんな素敵な事話してませんので。全くもってすみません。
全五回の放送はすでに終了してるんですけど、もったいぶって一回ずつアップしてます。よろしくお願いいたします。
[blog]
wrote by galliano : 09:52 AM
TVC153 Royal Mail / Valentine's day / Letters of Love
今日訪問した「テクネ 映像の教室」展で懐かしいCMに出会いました。英国郵便局によるバレンタインデーのCMです。制作年度は1989年なので、もう24年前の作品ですね。
「テクネ 映像の教室」はNHKのEテレで放送中の映像番組です。
「テクネ 映像の教室」は、クリエイターの卵や映像に興味を持つ若い人たちに向けた新感覚の体験型クリエイティブ・エデュケーション番組。
毎回、今注目を集める話題の作品を入り口に、そこで用いられているひとつの“映像の技法”を取り上げ、その技法を使った映像制作にチャレンジします。 ひとつの技法をベースにしながらも、まるで違った印象の作品を生み出せることを知ることで、創造の世界はグングン広がってゆきます。(番組サイトより)
「テクネ 映像の教室」展 3月31日まで
ということで、今日はこの番組の展覧会に行ってたわけです。展覧会情報はこちら。
会場内では番組と同様に『映像の技法』として「ストップモーション」や「プロジェクション」「影」などが取り上げられ、それぞれのテーマに関連する映像がブースごとに分かれて上映されていました。冒頭のCM映像は「タイポグラフィ」ブースで流れていたもので、それが僕にとって久しぶりの映像だったわけです。
時は1990年、会社に入ったばかりの僕は新入社員研修を受けていました。その研修の中身は主に社内の諸先輩方による講義形式で、クリエーティブ局員のスタークリエーターな方々からも様々な話を聞く機会がありました。その中に当時30代の佐藤雅彦さんもいて、氏が見せてくれた映像の中にこの英国郵便局のCMがあったのです。これを見た当時の僕はあまりの素敵さに頭をガーンとやられてしまいました(そしてクリエーティブ志望を決意しました)。
その衝撃は脳の奥で23年間わんわんと響き続け、今日ふたたび出会ってまたガーンとやられて、思わずブログでご紹介してるわけです。ぜひとも皆さんもガーンとやられちゃってください。
さてこのタイポグラフィアニメーション(正式にはキネティック・タイポグラフィと云うらしい)ですが、どうもこのCM用に作られたものではなく、ロンドンの美術大学セントマーチンの学生による卒業制作をCM向けにモディファイしたもののようです。その学生の名はOliver Harrisonさん。現在もCMやショートフィルムの監督をされているみたいですね。彼のYoutubeチャンネルはこちら。オフィシャルサイトもありました。
元のオリジナル卒業制作バージョンを下に貼っておきます。CMアイデアカテゴリとしては、「文字化する」、古い歌を「引用する」とします。
というわけで、ホワイトデー間近ですよ男性諸君。
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[TVC][13 文字化する][26 引用する]
wrote by galliano : 12:56 AM
March 03, 2013
『コピーライターに訊け!』に出演中です①
東京コピーライターズクラブがお送りしているポッドキャスト放送に出演中です。いろいろ自分の事を語っています。第一回は学生時代の話から。ああ恥ずかしい。
画像がちょっとジャギッてますね。
以下は東京コピーライターズクラブFacebookページからの転載です。
今回からは、「どうする?アイフル!」シリーズなどを手がけた、
阿部光史さん篇がスタート!
初回のテーマは『そもそも建築を学んでいた』。
そんな阿部さんが、広告の道へ進んだきっかけとは!?「コピーライターに訊け!」は、TCCが送るPodcast番組です。
番組視聴はこちらから↓
★iTunesで聴く
https://itunes.apple.com/jp/podcast/kopiraitani-xunke!/id568567342
下はiTunesページからの転載です。
言葉のチカラで人を振り向かせ、自由自在にモノの魅力を伝えていくコピーライターたち。 彼らが世の中をどう見つめ、何を考えているのか。コピーはどこまで可能性を秘めているのか、そして、これからコピーを仕事に生きていくにはどんな力が必要なのか。 「コピーライターに訊け」では、毎回、日本を代表するコピーライターの集まりである 東京コピーライターズクラブの会員を招き、様々な角度で彼らの考えを聞き出していきます。 コピーライターならではの発想にどうぞご期待ください。
いやもうそんな素敵な事話してませんので。ほんとすみません。
2月14日から始まった全五回の放送はすでに終了してるんですけど、もったいぶって一回ずつアップしようと思います。よろしくお願いいたします。
[はじめに][blog]
wrote by galliano : 07:34 AM
March 02, 2013
TVC152 Galaxy / Galaxy / Moon river
最近ネットで話題の、フルCG製オードリー・ヘプバーンによるチョコレートブランドのCMです。イギリスとアイルランドで放送されてるようですね。しかしまぁ本物が生き返ったかのようなスゴイ完成度。でもこのCMの素敵な所はソレだけじゃないんですね。
まず当たり前のことなんですが、ストーリーが素晴らしいです。
伝えようとしているベネフィットは最後のコピー「なぜシルクが手に入るのに木綿を手にしてるの?(Why have cotton when you can have silk)」ということで、ここでのシルクとはチョコレートの舌触りの事ですね。他のチョコでは得られない、きめ細やかでゴージャスな舌触りを訴求する事が目的なわけです。
そこから生まれたのがこのシチュエーション、『木綿=動かないバス』と『シルク=ショーファードリブンのオープンカー』の対比です。前半のオードリーがチョコを見るだけで食べないのは、『満員でしかも乗客がイライラしているようなバスの社内は、ゴージャスで舌触りの良いGalaxyを食べるシチュエーションとして相応しくない』と考えているからですね。そこにオープンカーの男性が現れ、彼女は『これなら良いシチュエーションになり得る』と思いつくわけです。
かたやオープンカーの男性はバスの中のオードリーを偶然見かけて、一瞬で恋に落ちてしまいます。でもオードリーが欲しているのは、突然現れたカッコいいプレイボーイ風イタリア男とのアバンチュールではなく、Galaxyに似合う、運転手付きオープンカーのお姫様専用席なんです。この二人の想いが全くすれ違う様は、基本的にコメディの形です。観客の「ワハハ」という音声が入っててもおかしくない。
でもそこに流れてくる曲は、オードリーヘップバーンが映画『ティファニーに朝食を』の中で歌った『ムーン・リバー』。作曲は僕も大好きなヘンリ・マンシーニ。恋が始まるようで絶対に始まらないミニコメディを上質なトーンで包み、「ワハハ」な空気感が起きないように抑えこんでいます。男性が恋に落ちる瞬間とオードリーが特等席を見つける、その同じ瞬間に音楽のブレイクを設けてるのが憎い演出ですね。(ミニコメディをクラシックな音楽で上質にまとめる演出手法は、日本でもけっこう見かけます)
全体のアートディレクションもいい。instergramのフィルターのような古いフィルムの質感と色合いが素敵です。
この広告について、オードリーの肖像権を管理している彼女の息子たちはこう言っているそうです。
「母は今回の仕事を誇りに思うでしょう。いつもチョコレートを愛してましたし、食べると元気が湧いてくるって言ってましたから」independentより
こんなPRネタまでちゃんと用意して、このCMの製作チーム、完璧すぎです。どこの代理店かわからないのですが、判明したら追記します。
アイデアカテゴリは、ラブストーリーかと思わせる部分の『裏切る』と、フルCGによる『あり得ない映像をリアルに作る』とします。よくわからん男のクルマに乗るほどGalaxyが好きという事で、『マニアになる』も加えておきましょうかね。
追記1;オードリーの息子達の話はindependentによる取材のようですね。
追記2:代理店はAMV BBDOでした。
追記3:CG製作はLONDONのFramestore。制作裏話はこちら。
▼永遠の名作『ローマの休日』ロイヤルBOX。なんと7割引きだそうですよ。
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[TVC][02 ありえない映像をリアルに作る(Real-looking unreality)][09 マニアになる][29 裏切る]
wrote by galliano : 10:13 PM