メイン

12 思い込ませる

February 25, 2005

アメリクエスト抵当会社 / 企業 / 「どっきりディナー」

 Blog Images  Users Mitsushiabe Library Application-Support Ecto Attachments  Users Mitsushiabe Library Application-Support Ecto Attachments  Resource Images Cd Home Logo1TVC010:
"Surprise Dinner"
by DDB Los Angeles
for Ameriquest Mortgage Company



【CMストーリー】
仕事を終えて帰宅したサラリーマン風の男。出迎えに来た猫に挨拶した後、
いそいそとテーブルを何やらロマンティックな雰囲気にセッティング。
夕食の用意としてパンを切ったりしている時…
猫がスパゲッティトマトソースを床にぶちまけてしまった!
ああ、床が真っ赤に!そこに妻が帰って来て…

【コピー】

早すぎる判断は禁物です。私達は違います。

 「アメリクェスト抵当会社は、誇りを持ってNFLを応援します。」

【CMアイデアカテゴリーと解説】

置き換える・例える+思いこませる+間違う

昨日に引き続き、アメリクエスト抵当会社のCM、TVC009の別バージョンです。「早すぎた判断によって引き起こされた、とりかえしのつかないひどい事件」を、旦那が猫を殺してしまった、と妻が間違って思いこむストーリーに仕上げています。Ad Meterでは009には及びませんが、堂々の8位です。この2本のオンエアに5億以上かけたこの会社は、充分モトをとったと言えるでしょうたぶん(笑)

こちらのCMも全体がうまく構成されています。まずCMが始まってから4秒後にはストーリーの中心となる猫が出てきてます。そしてさも自然な風を装いつつ、カメラは猫の動きを追っていきます。前半に猫の存在を感じさせた後は、カメラは男の行動や性格を描いていきます。テーブルに花、料理の用意などのシーンで、彼が几帳面で、かつこの日が特別な日であることを感じさせています。

さて視聴者に対する罠は揃いました。猫、赤いスパゲティソース、ナイフ。そこで猫が事件を起こし、最後の男のポーズに至るまでがたたみ掛けるように進行します。

それはまるで、前半がジェットコースターのコースを登るようなゆっくりした展開で、後半が一気に落下していくような感覚といえるでしょう。よくできたサスペンスのセオリーですね。

ところで僕も猫が出演するCMを手がけたことがあります。だからわかるのですが、サラッとスマートに作られた印象のあるこのCM、さぞ裏は大変だったと思われます。猫がソースパンを倒すところなんて、1回2回で成功したとは思えない(笑)僕の場合、1日にホント3カットしか撮れない日もあったんですから… あの時の猫たちも、このCMの猫も、お疲れ様!

以下は昨日と同じ内容となっています。

【予測されるアドアイデア】

アメリクェストじゃないと、判断を急ぎすぎて、顧客に不利な結論を出してしまう。

【アイデアから表現まで】

1: アメリクェストは顧客のためにじっくり審査する。

2: 他の会社は早い審査・判断で、顧客に不利な結論を出してしまう。

3: 普段から人は、早すぎる判断を下されて、ひどい目に会うことがある。
                      
(置き換える・例える)

4: その早すぎる判断は、見間違い、誤解から生じると面白い。(間違う)

5: 不利な結論が出るのが当然に見える自然なストーリーを考える。
                    登場人物に(思いこませる)

【追記】
ええと、この「どっきりディナー」
昨年のアドフェストで受賞したタイのCMと内容がほぼ同一ですね。

1クリック毎に元気が出ます!
<人気blogランキング>

"Surprise Dinner" (30")
client : Ameriquest Mortgage Company
agency : DDB Los Angeles
director: Craig Gillespie
country :United States
year :2005

Dear,こげんた―この子猫を知っていますか?

Dear,こげんた―この子猫を知っていますか?

posted with
amazlet at 05.02.25

mimi
ハート出版 (2004/07)
売り上げランキング: 3,023
通常24時間以内に発送

おすすめ度の平均: 4.92

5 こげんたちゃんが生まれてきた意味
5 一匹の子猫が起こした奇跡
5 涙ぼろぼろ

Amazon.co.jp で詳細を見る

【人気blogランキング - 今日の順位は?】


投稿者 galliano : 03:47 AM | コメント (0) | トラックバック

February 24, 2005

アメリクエスト抵当会社 / 企業 / 「強盗」

 Users Mitsushiabe Library Application-Support Ecto Attachments  Users Mitsushiabe Library Application-Support Ecto Attachments  Resource Images Cd Home Logo1

TVC009:
"Robbery"
by DDB Los Angeles
for Ameriquest Mortgage Company


【CMストーリー】
街道沿いの雑貨屋に男が入っていく。彼はハンズフリーのイヤホンマイクで電話しながらレジへ向かう。電話の向こうでは、何やら問題が起きているらしい。男はマイクに向かって言う。「……強盗だぜ。聞いてんの?強盗なんだよ!」…。しかしそれを自分へのメッセージだと受け取った店主は思わず…

【コピー】

 早すぎる判断は禁物です。私達は違います。

「開かれた機会を提供する会社、アメリクェスト抵当会社」

【CMアイデアカテゴリーと解説】

置き換える・例える+思いこませる+間違う

お待たせしました。TVC007から引き続き、今年のスーパーボウルからの1作です。このCMはAd Meterの調査で、TVC006に続いて2位という輝かしい成績を残しました!

このCMもすごくセオリーに忠実ですね。誤解が元となって発生した雑貨屋での一事件。やがて視聴者の心の中に、あ、えらいことが起きた。何故…これは何!?という疑問が起きた瞬間、「早すぎる判断は禁物です…」という一連のコピーが出てきて、全体の謎が解明されます。

企画はたぶん以下のように進行したと思います。まずはこの一連のコピーが最初にあって、あとは「早すぎた判断によって引き起こされた、とりかえしのつかないひどい事件」を山ほど考えて、その中から30秒、実際は最後にコトバが入るので25秒ぐらいで描写できて、いちばん面白く演出できる事件を選べばいいわけです。

主人公の男性は見事に、まるであり地獄に落ちるようにストーリーの罠にはまっていきます。見ていて、構造がとてもキレイです。細い穴に砂がサラサラと落ちていく砂時計みたいに、正確にラストがやってきます。

この会社「Ameriquest Mortgage」はどうやらローン会社のようです。お金を貸す時に、カスタマーの要望にできるだけ合わせるようじっくり審査します、ということが言いたいようで。(追記:それだけアメリカのローン会社は審査が厳しいらしく〜かっきーさん情報提供による〜。きっと広告と視聴者の間に「たいていのローンは即座に断られるものだ」という事前の了解があるのでしょう。このへんはお国の事情が出ますね。)

【予測されるアドアイデア】

アメリクェストじゃないと、判断を急ぎすぎて、顧客に不利な結論を出してしまう。

【アイデアから表現まで】

1:アメリクェストは顧客のためにじっくり審査する。

2:他の会社は早い審査・判断で、顧客に不利な結論を出してしまう。

3:普段から人は、早すぎる判断を下されて、ひどい目に会うことがある。

                       (置き換える・例える)

4:その早すぎる判断は、見間違い、誤解から生じると面白い。(間違う)

5:不利な結論が出るのが当然に見える自然なストーリーを考える。

                     登場人物に(思いこませる)

なーんてサラッと書いてますが、そのを考えるのがすごく大変なんですよ!
でも同時にそこがいちばん面白いんですけどね。この仕事。シンド&ナンギー(毒)

このアメリクェスト、もう1本作ってますので、次回ご紹介いたします。
って、その2本流して、スーパーボウルの放送料5億円ですよ…恐るべし。

1クリック毎に元気が出ます!
人気blogランキング

"Robbery" (30")
client : Ameriquest Mortgage Company
agency : DDB Los Angeles
director: Craig Gillespie
country :United States
year :2005

海外CMで描かれる人生も、実際の人生も、たいていブラック&ビターですよ…(笑)

人生ゲーム ブラック&ビター
タカラ (2003/06/26)
売り上げランキング: 695
通常24時間以内に発送
【人気blogランキング - 今日の順位は?】


投稿者 galliano : 08:21 AM | コメント (2) | トラックバック