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September 21, 2013

TVC156 Kiss TV / Company / Songs without music - PSY








宣伝会議さんの『コピーライター養成講座基礎コース・CMプランニング教室』で毎回生徒の皆さんに教えている内容に

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ってな内容の話がありまして、まぁ『覚えて帰ってください』と言うほど大変な事でもないんですが、この続きでこんな事話してまして


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『その要素を一つ変なものにするだけで企画が出来てしまうぜよ』って言ってます。なかでも『音』を変なものにした例として、山崎隆明さんのホットペッパー(洋画風の映像に全く内容の違う音声を吹替したもの)を挙げていたのですが、最近は新しい例がなかなか無く、良いのがないかなーと思ってた所に、出てきました。まさしく『音』を変なものに変えちゃった企画が。

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観てのとおりPSYによる有名なカンナムスタイル(Gangnam Style)のPVなんですけど、音楽がまるっきり抜けてて、撮影時のリアルなサウンドが入ってます。なんじゃこらーと思った所で、『あなたが彼らから音楽を奪う時、同時にあなたは彼らの存在意義も奪っているのです。(If you take out their music, you take out their meaning):ガリ意訳』というコピーが入ります。

てなワケで、これはスペインの音楽TVチャンネル局『Kiss TV』によるミュージックデータの違法リッピング防止啓蒙広告ですね。他にもMIA篇とかもあります。

しかし実はコレ、元々はMikolaj Gackowskiさんというビデオアーティストの個人作品が元ネタなんです。こちらがフルバージョン映像。

Mikolaj Gackowskiさんのサイトで彼はこう言ってます。

『2012年にPSYのPVを音声だけアカペラにした映像を作って遊んでたんだけど、その声さえも取っちゃってリアル音だけにしたらさらに面白いんじゃね?と思って速攻でやっちゃったんだ。出来上がってみるとオモシロすぎてクソワロタ状態で。そしたらアップした2日後にRedditに載っちゃって、そのうえTwetter上でなんとPSY本人からアプルーヴが出ちゃったんス。そっからはYoutubeに2000万人が観に来て、Mashableからthe Huffington Postからいろいろ載っちゃって、しまいにはTVにも出ちゃって大騒ぎだったんスよ。

まぁガリ意訳なんですけど、そういう流れでバズったものだそうです。コレに目をつけた代理店が同監督を起用して30秒ヴァージョンのCMに仕立てたという事ですね。元々は個人の楽しみで作った映像を、啓蒙広告に転換した手腕はなかなか素晴らしい。コピーライターとアートディレクターも良い仕事してます。最後のロゴが出るタイミングもステキ。

CMアイデアカテゴリとしては『引用する』『グルーヴ』としますが、上記の『4つの基本要素を変える』というカテゴリが欲しくなってきた今日このごろであります。



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[TVC]
[26 引用する]
[32 グルーヴ]
 wrote by galliano




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