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July 10, 2005

シトロエン2CV








24507324 68毎度毎度の香港media誌から依頼を受けまして、
今回はデザインについてのコラムを書きました。

この連載コラム「DESIGN CHOICE」では 、
毎号アジアのクリエーター達が
自分の好きなデザインを選んで解説しています。

僕のコラムが掲載されているmedia誌7月1日発売号は
現在アジア各国で絶賛発売中です!

◆以下に記事の日本語訳が続きます。

シトロエン2CV

80年代の終わりに美術大学の学生だった僕は、
東京でシトロエン2CVに乗っていた。
当時フランスに行ったこともなかった僕が
なぜこの車に興味を持ったかというと、
ある雑誌に世界で一番poorな車と
紹介されていたことに興味を持ったからだ。
別名「醜いアヒルの子」とも呼ばれていた2CVは、
しかし乗ってみるとpoorどころか、
哲学的にもデザイン的にも素晴らしくrichな車だった。
1940年代、戦禍が続くフランスで
この車がデザインされた目的は
「安く製造できて、丈夫で、かつ快適であること」。
エンジンは2気筒しかない。だからシンプルで壊れない。
屋根が布なのはファッションのためではなく、
鉄板より安いから。
窓の開き方も独特なら、シフトレバーの場所も独特。
でも慣れると使いやすい。
2CVは全てが変なのに、全てが理にかなっていた。
そしてどんな制約からも自由だった。
「ある目的を達成しろ。その手法は独創的であれ。
 ただし誰にとっても理解しやすく、
 使いやすいものでなくてはならない。」
僕にとってのデザイン哲学はそういうもので、
これらは全て2CVが無言のうちに教えてくれた。
そう、「醜いアヒルの子」は僕にとっての走る哲学教室であり、
今は僕の心の中で白鳥となって高い空を舞っているのだ。









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 wrote by galliano




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