TVC041:
“Door Music”
by Goodby, Silverstein & Partners
for Saturn Corp.
【CMストーリー】
道路脇に駐車中のサターン。そこにボールが飛んできて、車体にぶち当たる。別のサターンのドアが開いて、消火栓にぶち当たる。さらに別のサターンにラジコン飛行機がぶち当たる…その繰り返されるノイズが、次第に音楽に聞こえてきて…
【コピー】
サターン・ネオン。衝撃吸収復元パネル採用。最初に人ありき。
【CMアイデアカテゴリーと解説】
実証する+繰り返す+グルーヴ
この5月5日に、米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズから「投資不適格」という悲しみあふれる烙印を押されてしまったGM。そのGMの1ブランドが、1997年、「礼を尽くす会社、礼を尽くすクルマ」という細野晴臣氏の印象的なナレーションと共に日本市場に導入された「サターン」です。残念ながら今は日本から撤退してしまいましたが、このCMを見る限り、アメリカでは今でもしっかり商売が成立してるようですね。
さてサターンというブランドは、全タイプのドアやフェンダーなどの垂直パネルがポリマー樹脂で作られていて、多少何かがぶつかったとしても自らの弾力でパネル形状が復元します。しかし、このパネル素材は1990年のサターンのデビュー当時からの変わらぬ特徴であり、アメリカ市場の人々にとっては特に目新しい情報でもありません。しかしブランドとして、消費者に対して常にリマインドはしておきたい。
というわけでCMの手法は単純。「ポリマー樹脂復元パネルで作られたサターンはモノがぶつかってもすぐ元通りになる」という事実を、実証映像の繰り返しで見せているだけです。しかしリフレインされる映像が、やがて打楽器のようなリズムとグルーヴ感を作り上げていきます。またリフレインされることで、「丈夫なクルマ」というイメージを植え付けることに成功しています。気が遠くなるような手間もかかっているし完成度も高い。なかなかの優等生CMですね…だからというのもアレですが、解説も優等生風になってヒネりがないですね!(笑)
【予測されるアドアイデア】
どれだけモノが当たっても、サターンの樹脂パネルは復元する。
“Door Music”
Agency: Goodby, Silverstein & Partners
City: San Francisco
Advertiser: Saturn Corp.
Brand Name: Saturn
Country of Production: United States
Length: 45 seconds